水星表面は隕石衝突と火山活動で形成…水星探査機メッセンジャーの観測成果

宇宙 科学

水星のクレーター分布図。右の画像は、25km以上の大きさのクレーターが多く残る数密度マップ。白線で囲まれた部分はクレーターが非常に多く分布する地域で、水星で最も古い表面地形と考えられる。
  • 水星のクレーター分布図。右の画像は、25km以上の大きさのクレーターが多く残る数密度マップ。白線で囲まれた部分はクレーターが非常に多く分布する地域で、水星で最も古い表面地形と考えられる。
  • 2011年3月29日、水星周回軌道に入ったメッセンジャーが送信した初の水星表面の画像。
水星探査機メッセンジャーの観測結果から、水星の現在の表面の地形が多くの隕石衝突とその後の火山活動で形成されたとする研究成果がネイチャー7月4日版に掲載された。

サウスウェスト研究所のシモーヌ・マーチ博士、クラーク・チャップマン博士らによるチームは、メッセンジャーが水星軌道を周回して観測した1年間の画像から、クレーターが多く残る地形でクレーターの数とサイズを計測。水星の目に見える最古の地形は、40~41億年前のものであり、最初の4億~5億年間の惑星表面の地形は残っていないとしている。

40~41億年前は、後期重爆撃期(LHB)と呼ばれる、隕石が惑星表面に多数衝突した時期にあたる。研究チームは、アポロミッションから得られた岩石サンプルを元にした月クレーター年代学にデータを外挿して水星モデルを作った。後期重爆撃期の後、火山活動が活発になり、水星表面の地形を再形成したという。

「水星の巨大衝突盆地で観測されたクレーターの数と地理的分布を比較し、水星表面の再形成は全球的で、おそらく火山性のものだということがわかりました。水星で見つかった最も若く、巨大な火山は36~38億年前、ちょうどLHBが収束した直後のものです」とマーチ博士はコメントしている。

チャップマン博士は、LHBの期間、水星の薄い地殻に巨大な衝突体が衝突したことでその後の火山活動を引き起こし、火山活動によって現在の水星表面の地形が再形成されたとしている。

メッセンジャー探査機は、NASAのディスカバリー計画のひとつで、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所、カーネギー研究所などが中心となった水星探査機。2004年8月3日に打ち上げられ、数度のスイングバイで加速しながら2011年3月17日に水星軌道に入った。水星の地表を撮影するカメラ、地形を調べるためのレーザー高度計など複数の観測機器を搭載している。
《秋山 文野》

編集部おすすめのニュース

特集

おすすめの商品

宇宙 アクセスランキング

  1. JAXA、ISS「きぼう」の利用状況を公表…米国の超小型衛星「NRCSD#8」を放出

    JAXA、ISS「きぼう」の利用状況を公表…米国の超小型衛星「NRCSD#8」を放出

  2. 金星探査機「あかつき」に搭載の観測器が定常観測に移行…金星の観測を開始

    金星探査機「あかつき」に搭載の観測器が定常観測に移行…金星の観測を開始

  3. 国際宇宙ステーション「きぼう」で作成した「タンパク質結晶」、予定早め急きょ地球に帰還

    国際宇宙ステーション「きぼう」で作成した「タンパク質結晶」、予定早め急きょ地球に帰還

  4. JAXA、「はやぶさ2」のミッションロゴを青系統に変更…スイングバイ成功を機に

  5. 大西宇宙飛行士、打ち上げ目標が6月24日午後3時14分に決定

  6. ジャパンホームシールド、JAXAと月面でも利用可能な地盤調査技術を共同研究

  7. ウェザーニューズ、独自衛星「WNISAT-1R」打ち上げへ…北極海航路を支援

  8. BASF支援の学生宇宙農業研究プロジェクト、挿し木を載せたロケットを打ち上げ

  9. JAXA、ISS「きぼう」に搭載したCALETで電子の集中豪雨を観測

  10. 130億光年彼方で一般相対性理論を検証…アインシュタインの説の正しさを裏づけ

アクセスランキングをもっと見る