ノムラ・インターナショナル(香港)エコノミストのスバラマン氏は2日の会見で、アジアでは米国発の金融危機後の4年間、経済の基礎的条件が弱くなっており、マレーシアなどでこの先、国内要因で金融危機が発生する恐れがあるとの見解を示した。
スバラマン氏は予想の根拠として、経常黒字の縮小、対国内総生産(GDP)比での個人債務の増加、不動産バブルを挙げた。
このため政策決定者は構造改革と金融の正常化に力点を置くべきで、経済成長重視の政策をとるのは間違いだという。外需の低迷を背景に、マレーシアを含むアジアでは内需が経済をけん引し、借金が消費を刺激したという。
ノムラが高リスク国・地域にグループ分けしたのは、中国、香港、インド、インドネシア。マレーシア、韓国、シンガポールなどが中程度のリスク国とされた。