自動車整備士などを育成するホンダ学園関東校、ホンダテクニカルカレッジ関東の大木宏高校長は4月8日に入学式を行った客船『ふじ丸』で報道陣と懇談し、整備士のニーズが高まっているものの、整備系の学校を目指す若者が減っていることに懸念を示した。
大木校長は「ここ数年、(入学者は)上げ傾向だったが、それが(今年は)昨年に比べて落とした」と明かした上で、「やはり18歳人口が減っていることに加え、整備系の学校を目指す若者もそのものも減ってきている。人口減プラス車離れということで、自動車整備士専門学校としてはちょっと厳しい環境にあると思っている」と語った。
この日、ホンダ学園関東校に入学した学生数は247人で、うち女性は10人。前年の入学者数は287人だったことから、40人減少したことになる。
その一方で「整備士のニーズという意味では、ホンダを始め他の自動車メーカー系のディーラーで、ものすごく高まっている。学生数が減る一方で、業界ニーズが高まっている。このギャップがここ数年で深刻になると思っている」とも予測する。
「整備士のなり手も少ない上に、販売競争の激化でサービスマンの獲得競争も始まっている。そういう意味では販売業界自体が整備士の処遇を良くしないと本当に困るのではないか。例えば働く環境もそうだし、資格を取った時のメリットをもっと向上させないといけない」と、業界に対し待遇改善を訴えた。