【マツダ アテンザ 試乗】日本ブランドの真価を、我々は誇りに思うべき…山崎元裕

試乗記 国産車
マツダ アテンザ
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ヨーロッパ市場で、いわゆるプレミアム・ブランドによる、激しいシェア争いが常に展開されているのが、Dセグメント。

このセグメントに魅力的な選択肢が加わったな、と確信したのは、2012年のパリ・サロンのマツダ・ブース。先にモスクワ・モーターショーでお披露目したセダンに続いて、ここでワゴンが世界初公開されることになった『6』が、その期待のニューモデル。そしてこの6のセールスは、『アテンザ』と車名を変えて、先日日本市場でもスタートすることになった。

最近の日本車では珍しいほどに躍動的なスタイル。ボディーサイズのみならず、セダンとワゴンでホイールベースまでをも差別化するという基本設計への拘り。厳しい日本の排出ガス規制をも、後処理装置を使用することなくクリアすると同時に、スポーティーなテイストさえ感じさせるターボディーゼルエンジン。そしてそれに組み合わされる6速MTの存在。

新型アテンザのトピックスは実に豊富だが、個人的に思うのは、この車には現在のマツダが掲げる企業哲学、あるいはそれを自動車という工業製品として具現化するための、開発や生産の最新技術といったものが、見事に生かされているという事実である。

ワイドなラインナップを相手に、わざわざその各々に解説を加える、あるいはインプレッションなるものを書き連ねる必要はないだろう。私自身がここで報告したいのは、新型アテンザに試乗してみれば、誰もが容易に、マツダという自動車メーカーに対して、これまでにはない強い信頼と期待を感じるだろうということ。これこそがマツダの、そして日本ブランドの真価なのだと、商品企画に始まり、デザイン、エンジニアリング、走り、そして価格設定に象徴されるセールスの手法と、すべてのパートにおいて、それを再確認させられた次第だ。日本ブランドは、まだまだ捨てたものではない。いや、我々はもう一度、それを誇りに思うべきではないのか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

山崎元裕|モーター・ジャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
1963年新潟市生まれ、青山学院大学理工学部機械工学科卒業。少年期にスーパーカーブームの洗礼を受け、大学で機械工学を学ぶことを決意。自動車雑誌編集部を経て、モーター・ジャーナリストとして独立する。現在でも、最も熱くなれるのは、スーパーカー&プレミアムカーの世界。それらのニューモデルが誕生するモーターショーという場所は、必ず自分自身で取材したいという徹底したポリシーを持つ。

《山崎元裕》

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