ホンダのスーパーGT・スーパーフォーミュラ、大幅な人事異動を敢行

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
発表会当日、ホンダ本社前にスーパーフォーミュラやSUPER GTのマシンが展示された。
  • 発表会当日、ホンダ本社前にスーパーフォーミュラやSUPER GTのマシンが展示された。
  • GT300クラスに参戦するARTA CR-Z GT(左)。
  • 伊沢拓也が気迫の代表コメント。
  • 2013年型HSV-010 GT。
  • N-ONEも今後はモータースポーツシーンに進出する。
  • ダンディライアン・ホンダのSF13マシン。
  • 塚越広大が新季への意気込みを語った。
  • ARTA CR-Z GTのリヤビュー。

2月8日、ホンダが今季のモータースポーツ活動についての発表会を東京・青山の本社にて開催。そのなかで国内トップ戦線のSUPER GTとスーパーフォーミュラに関しては、ホンダ系チーム間における大型移籍等を敢行し、新布陣で臨むことが発表されている。

まずSUPER GTのGT500クラスだが、来季のNSX復活を前にHSV-010 GTで戦う最後のシーズンとなる今季、5台のマシンのうち従来同様のドライバーコンビとなるのはKEIHIN REAL RACINGの塚越広大&金石年弘のみだ。ARTA はラルフ・ファーマンの同僚に松浦孝亮、EPSON NAKAJIMA RACINGも道上龍のパートナーに中嶋大祐(中嶋悟監督の次男)をそれぞれGT300から昇格させる。

そしてホンダのエース小暮卓史がチーム国光に移って伊沢拓也とスーパーエースコンビを組み、小暮が抜けたWeider Modulo 童夢 Racingには入れ代わりで山本尚貴が移籍。そして山本のパートナーは新外国人のフレデリック・マコヴィッキィ(FIA GT1の強豪選手)となり、さらに同チームはホンダ勢として初めてミシュランタイヤを装着することになった。

GT500参戦陣を代表してマイクを握った伊沢の「ご覧のように今年は移籍がたくさんありましたし、マシンの開発もさらに進んでいます。すべてはホンダがチャンピオンを獲るためです」という言葉がすべてを象徴しているだろう。年間1勝に終わった昨季の屈辱を晴らし、3年ぶりのGT500王座をHSV-010 GTの花道にすべく、ホンダは燃えている。

GT300も昨年途中から参戦したCR-Z GTが今季は2台になって体制拡大。チーム無限は武藤英紀&中山友貴、ガライヤからマシンをスイッチするARTAが高木真一&小林崇志というコンビになる。

スーパーフォーミュラ(旧フォーミュラ・ニッポン)に関しても体制強化が図られた。従来は原則1カー参戦だったチームも通年2台体制にするなど、エンジン供給規模を計4チーム8台へと拡張。さらに昨季シリーズ2位を獲得した塚越がHP REAL RACINGに移籍しており、ホンダ勢全体としてのポテンシャルアップを目指す動きが感じられる新布陣となった。

塚越が抜けたDOCOMO TEAM DANDELION RACING(昨季チーム部門チャンピオン)には伊沢(昨季シリーズ3位)が残留し、武藤が新たな僚友に。HP REALは塚越と中山になり、NAKAJIMA RACINGは小暮と中嶋で変更なし。チーム無限は山本と、もう1台は小林と佐藤琢磨の併用になる。インディカー・シリーズを主戦場とする琢磨だが、昨季同様、数戦にスポット参戦予定で、今季は開幕戦鈴鹿(4月13〜14日)にも出走する。琢磨が出走しないレースでは、小林がステアリングを握ることになるのだろう。

塚越が言う。「ホンダはチャンピオンを獲らないといけないと思います」。昨季、惜しくも個人部門戴冠を逃した悔しさが言わせるセリフであろう。古巣でもある新天地で、どんな再挑戦を見せてくれるのか。実に楽しみだ。

トップ2大カテゴリーの他、全日本F3やFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)での若手育成、参加型モータースポーツの拡充などにもホンダは力を注ぎ続ける。2輪も含めて「我々ほど幅広くモータースポーツに参戦している自動車メーカーはないと自負しています」(伊東孝紳社長)という言葉に違わぬ、充実の活動内容発表。さらに今後は人気車種のN-ONEを使った新たな参加型モータースポーツの創造にも取り組むことが発表されている。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集