ダークマターとは何か…NASAが宇宙空間に存在する物質の研究動向を解説

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NASAの宇宙科学に関する解説ページでは、宇宙空間を満たしている「ダークエナジー」「ダークマター」についての興味深い解説を掲載している。その要旨は以下の通りだ。

新たな宇宙の構成の理論的モデルと宇宙論的観測により、科学者たちは70%のダークエナジー、25%のダークマター、5%のノーマルマターと言う構造を思いつくに至ったが、ダークマターとは一体何なのか? 

第一に、それは暗く、それは我々の見る星や惑星といった形状ではない。これまでの観測の結果、目に見えるマターが観測された宇宙の25%を占めるには少なすぎるということである。

第二に、それはバリオン(重粒子)と呼ばれるノーマルマターの形成する暗黒雲の形状とも違う。我々はこのことを知っている。なぜなら我々はその通り過ぎる放射線が吸収されることで、重粒子の雲を発見することができるからである。

第三に、ダークマターは反物質ではない。なぜなら、我々は反物質が物質を消滅させる時に発生する、独特のガンマ光線を見ることができないからである。

そして最後に、我々がどれくらいの重力レンズを見ることができるかを基にした、巨大な銀河サイズのブラックホールを候補から省くことができる。極端に凝縮された物質は、その付近を通る光を遠くから近くへと屈折させるが、しかし我々はそういった物質が必要とされる25%のダークマターの寄与を埋めることを示唆する、十分なレンズのイベントを見ることができない。

今のところ最も共通的な見解は、ダークマターは重粒子の雲ではなく、その他のアクシオンやWIMPS(ウイークリー・インタラクティング・マッシブ・パーティクルズ)といった、もっとエキゾチックな粒子によってできているとする説である。

《河村兵衛》

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