欧州の自動車最大手、フォルクスワーゲングループは12月11日、ロシアに建設する新エンジン工場の起工式を行った。
この新エンジン工場は、2億5000万ユーロ(約245億円)を投資して、ロシア南西部カルーガの既存工場に隣接する用地に建設するもの。工場の面積は3万平方m。2015年から、「EA211」と呼ばれる新型1.6リットル直列4気筒ガソリンエンジンを、年間15万基生産する。
今回の新エンジン工場の建設は、ロシア政府が2011年5月に発表した政策と密接な関係がある。この政策は自動車メーカーに対して、2016年までにロシアで販売する新車の30%に、ロシア製エンジンを搭載することを求める内容だ。新工場が稼働すれば、フォルクスワーゲングループはロシア政府が求める基準を満たすことが可能になる。
新エンジン工場の起工式には、ロシア政府からドミートリー・メドヴェージェフ首相が出席。フォルクスワーゲングループ取締役会のミハエル・マハト取締役は、「カルーガの新エンジン工場が、ロシア現地生産能力の拡大に必要。この新工場が我々のロシアでの地位を、さらに強固なものにするだろう」と述べた。
ロシアはフォルクスワーゲングループにとって、中国、ドイツ、ブラジル、米国、英国に次ぐ世界6番目の市場。同社は2018年までに、ロシアで年間50万台以上の新車販売を目指している。