オイラは今年、トヨタ『86』で全日本ラリー選手権に参戦している。だからと言ってそれだけの理由でトヨタ86/スバルBRZに最高得点の10点を投じたわけではない。
今年の採点は非常に難しかった。どこに軸足を置くかで、内容が全く変わってしまうからだ。エコカー、SUV、スポーツカー、ファミリーカーといくらでも切り口はある。
ただ辛口風に言えば、今どきのクルマでエコを標榜していないクルマはあり得ないのだ。言い方を変えればこの10台はすべてエコカーでもある。それなら楽しいクルマで選ぼう!!
ラリーでは日本全国を転戦してきた。そこで迎えてくれたのは笑顔のクルマファンたちだ。どうもオイラのファンではなく86/BRZファンたちなのだ。みんなこのクルマを見て喜び、音を聞いて、走りを見て、笑顔で語るのだ。
「FRはいいね」
「パワースライド、カウンター」
確かに若い人よりオヤジ達が多いのだが、かつて乗れなかったスポーツカーに、昔乗っていた遊び車に、これから、今から、そしてもう一度走ろうじゃないか!という熱い思いが渦巻いていた。
ちなみにオイラも彼と御同慶。再びラリーマシンのステアリングを握って楽しんでいるオヤジだ。気持ちはよくわかる。この86/BRZは掛け値なく走って楽しく笑顔になれる。だから10点。
ちなみに配点は以下の通り。
●トヨタ『86』/スバル『BRZ』:10点
●日産『ノート』:0点
●ホンダ『N BOX』/『N BOX+』0点
●マツダ『CX-5』:5点
●スズキ『ワゴンR』/『ワゴンRスティングレー』:0点
●フォルクスワーゲン『up!』:0点
●BMW『3シリーズ』(セダン/ツーリング):1点
●シトロエン『DS5』:4点
●アルファロメオ『ジュリエッタ』:0点
●レンジローバー『イヴォーク』:5点
三好秀昌|ラリードライバー/自動車ジャーナリスト/動物カメラマン
東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。八重洲出版の契約カメラマンを経て、ラリー成績の上昇とともにスポーティーカーの試乗原稿を執筆する。89年からWRCラリーに参戦する三菱ラリーアート・ジャパンのチームマネージャーも務める。1991年、日本人として初めてイギリス国内ラリー選手権ランキング2位の成績を残す。94年FIAヨーロッパラリー選手権グループNランキング2位。95,96年、サファリラリーグループN2年連続優勝。数多くのWRCラリーに参戦。2003年フェアレディZを擁して全日本ラリーに復帰し優勝。2008年FIAアフリカラリー選手権チャンピオンとしてモナコで表彰を受ける。ケニヤで豹の撮影を継続中。ブログ:www.maddog.jp/blog/