BASFは、高耐熱性エンジニアリングプラスチック「ウルトラミッド・エンデュアー」が発売から2年で自動車部品に採用が決定したと発表した。
自動車部品に新しい素材を採用する場合、自動車メーカーやサプライヤーによる解析・耐久性評価、工場監査などに長い時間がかかる。発売から2年間での採用は早い。
自動車部品サプライヤーであるドイツのモンタプラストがダイムラーの4気筒ディーゼルエンジンに使われるエア・インテークマニホールドのヒートシールドに、スペシャリティ・ポリアミドの「エンデュアーD3G7」を使用する。
エア・インテークマニホールドのエア・インテーク部分には、排気ガス再循環機能が組み込まれており、新しい空気と高温排気ガスが混じり合い、高温の混合気となる。従来、アルミニウムのシールドで、マニホールドの壁と組み込まれたセンサーを保護していたが、エンジニアリングプラスチックのエンデュアーを使用したインサートで保護することが可能になった。
エンデュアーは、特殊な安定化技術でプラスチック表面に保護層が作られて耐熱性を確保、220度での連続使用、最高温度は240度まで耐久性がある。
穴を開けて効率の良い乱流を作るプラスチック製ヒートシールドは、プラスチック自体に断熱性があるほか、Endure製ヒートシールドなら高温の排気ガスと新しい空気を効率よく混ぜて乱流を作るための穴を設けることにより、混合気の温度を下げることができる。重量は、アルミニウムの半分で軽量化にも寄与する。