ザウバーチームからのスポンサー獲得要求に、鈴鹿でポディウムを獲得した小林可夢偉が困惑している。
2013年ドライブの条件に、自力でのスポンサー獲得を求められたことに小林は驚きの色を隠さない。ザウバーに関連しては、ハイメ・アルゲルスアリやパストール・マルドナド、さらにはエステバン・グティエレスといった候補が挙がっているが、モニシャ・カルテンボーン代表は、ラインナップはぎりぎりまで決める必要なないと明言している。
資金的なバックアップがシート獲得の助けになることは理解できるが、状況の厳しさに驚いていると小林は語る。
「スポンサーが見つかれば来年のシートはより確実になると思いますが、今はまだ用意できていないのが本当のところです。でも、ザウバーであれ、他チームであれ、来年も僕がF1ドライブをしたければスポンサーを見つけなければならないというのは、今ひとつ釈然としません」
「今日、金銭がとても重要な問題だというのはわかりますが、トップドライバーとして良いチームでドライブしたいという気持ちは強いです。F1は少年の頃からの夢でしたから」
「ともあれ来季以降のシートを確保する上でスポンサー獲得が重要なこともわかっています。もはやドライバーがマシンのことだけを考えれば良い時代ではなくなったのかも知れません。ドライビングはドライバーの仕事の一部でしかなくて、現代ではスポンサーとの付き合いの方が比重が大きくなっているのかもしれませんね。僕は、本来あるべきレーシングドライバーの姿ではないと思いますが……」
実力で劣るドライバーにスポンサーの力でシートを奪われたらどう思うかという問いに、「それはそれで運命かもしれません。F1とはこういうものですとしか言えませんね」と答えた。