ドイツでスポーツカーを少量生産するMelkus(メルクス)社。同社が、破産を申請したことが分かった。
これは8月20日、ドイツ・ドレスデンの地方裁判所が明らかにしたもの。同裁判所が、Melkus社から提出された破産申請を受理したと公表したのだ。
Melkus社は1959年、レーシングドライバーのHeinz Melkus氏がドレスデンに設立。1名乗りのフォーミュラマシンを制作する傍ら、1969年にオリジナルスポーツカー『RS1000』を発表した。
RS1000は旧東ドイツの自動車メーカー、ヴァルトブルク社製の3シリンダー2ストロークエンジンを搭載。エンジンは992ccと1200ccの2種類があり、992ccのレース仕様は最大出力88ps、最高速210km/hを誇った。RS1000は1979年までに、101台が生産されている。
しかし同社は1986年、車両生産を中止。1980年代からはBMWのディーラーで生計を立てる時代が続いたが、オリジナルスポーツカーへの思いは抱き続ける。2006年、『RS2000』の市販計画を発表。このRS2000は、アルミ製シャシーとカーボン製ボディの組み合わせにより、わずか454kgという軽さを実現していた。
しかし、このRS2000は販売上、成功を収めていない。販売台数は現時点で、25台程度と推測されている。Melkus社は資金繰りの悪化により、破産の道を選択したようだ。