宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、5月18日に種子島宇宙センターから打ち上げた第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)が、A-Train軌道の所定位置に投入されたことを確認したと発表した。
A-Trainとは、高度約700km、昇交点通過地方平均太陽時13時30分付近を観測軌道とする複数衛星から構成されるNASA主導の地球観測衛星のコンステレーション(衛星群)。各国の衛星が協力して地球全体を観測するシステムで、現在軌道上でA-Trainに参加している衛星は、「Aqua(米NASA)」、「CloudSat(同)」、「Aura(同)」、「CALIPSO(米NASA/仏CNES)」の4つであり、日本から初めて「しずく」が参加する。
「しずく」の投入位置は、「Aqua」の前方で、今後参加する「OCO-2」が投入されるまでは、A-Trainの最前方となる。
アメリカ航空宇宙局(NASA)地球科学部長マイケル・フレリック氏は「JAXAが開発した「しずく」をA-Trainのメンバーとして歓迎する。同機が搭載する、高性能マイクロ波放射計AMSR2のデータセットが加わることで、A-Trainの科学研究の可能性は大いに広がる」と、歓迎のメッセージを送った。
同機は、この後、AMSR2を低速回転から定常観測を行う毎分40回転まで回転数をあげ、観測性能の確認を実施する。