2012年5月、愛知県津島市内で乗用車を飲酒運転した際に路外への逸脱事故を起こし、男子高校生2人を死傷させた47歳の男について、名古屋地検は18日までに危険運転致死傷罪で起訴した。警察の逮捕容疑は自動車運転過失致死傷だったが、悪質事案と判断したようだ。
問題の事故は2012年5月28日の午後11時55分ごろ発生している。津島市金柳町付近の市道(車線区別のない幅員約6.5mの直線区間)を走行していた乗用車が道路左側の路外に逸脱。理容店の前で立ち話をしていた15歳の男子高校生2人に突っ込んだ。
クルマは2人を次々にはね、このうち1人が死亡。もう1人も打撲などの軽傷を負った。警察はクルマを運転していた蟹江町内に在住する46歳の男を自動車運転過失傷害の現行犯で逮捕。1人死亡後は容疑を同致死に切り替えていた。
男からは呼気1リットルあたり0.4mgのアルコール分を検出。当初は「コンビニで酒を買って飲んだ」などと供述していたが、後にこれを撤回。「職場で友人らと酒を飲み、帰宅する途中に事故を起こした」と供述を変更している。
警察の検証で、現場の道路はハンドル操作をしないと道路左側へ斜行していくことを確認。「事故当時の男は酒に酔い潰れ、居眠り状態だった」と判断し、自動車運転過失致死傷などの容疑で送検していた。検察では慎重に捜査を行ってきたが、「男はアルコールの影響で正常な運転ができなかった」とみなし、罪状を危険運転致死傷に切り替えて起訴した。