佐藤琢磨、Fニッポン終盤3大会に参戦…チーム無限

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3月のエキシビションレース第0戦での佐藤琢磨の走り。マシンはホンダエンジン搭載のFN09。
  • 3月のエキシビションレース第0戦での佐藤琢磨の走り。マシンはホンダエンジン搭載のFN09。
  • 3月の鈴鹿テストで、チーム無限のスタッフと話す佐藤琢磨。
  • 左から佐藤琢磨、塚越広大、A.ロッテラー、松田次生。鈴鹿レーススクールの同期生、琢磨と松田の対決も注目される。
  • 第0戦での佐藤琢磨。実戦参戦時もカーナンバーは15となる(今季はインディでも15番を使用中)。
  • 向かって左がチーム無限の手塚長孝監督(3月の鈴鹿テスト)。
  • 同僚となる新進気鋭・山本尚貴も交えて、走行後のディスカッションをする琢磨(3月の鈴鹿テスト)。
  • 3月のFニッポン初乗りでは、雨に祟られての走行となった佐藤琢磨。
  • エキシビションの第0戦では2位。ロッテラー(左)、オリベイラとともに表彰式に登場した佐藤琢磨。

フォーミュラ・ニッポンへのスポット参戦の意向を表明していたインディカードライバー、佐藤琢磨の参戦ラウンドとチームが確定し、今季終盤の計3大会に、チーム無限から出走することが発表された。

5月、世界三大レースのひとつであり、米国最高峰の一戦、100年超の歴史を誇るインディ500で、最終ラップにトップ奪取を試みるというスーパーパフォーマンスを見せて、またひとつ、日本人ドライバーとして新たな地平を切り拓いた琢磨。スピンしてクラッシュという残念な結果に終わりはしたが、日本人として初めてイギリスF3王者となり、F3マカオGPも初制覇し、F1では3位表彰台に上がり(鈴木亜久里に次いで2人目)、そして2010年から主戦場としている米国インディカー・シリーズでは、日本人初のポールポジション獲得。“日本人初”を世界中で繰り返してきている琢磨が、今年はインディジャパン(昨年で終了)の代わりに、Fニッポンで日本のファンの前を走る。

佐藤琢磨というレーサーの魅力は、記録面の凄さだけではない。今回のインディ500のように、勝負に出られる選手だから、記憶にも残る選手だからこそ、日本のみならず、世界のモータースポーツファンが“タク”に大きな声援を送るのだ。彼のレースが今年も日本で見られるのは、本当に嬉しいかぎり。参戦するのは、9月22〜23日の第6戦スポーツランドSUGO(宮城県)、11月3〜4日の最終戦鈴鹿(三重県)、そして11月16〜18日にシリーズ外として開催されるJAF-GP富士スプリントカップ(静岡県)の3大会だ。あくまでインディ優先のために変更等の可能性もあるが、SUGO戦がインディ最終戦の翌週なので、Fニッポン終盤3大会出場は確実と見ていい。

日本最高峰レース、Fニッポンへの参戦は初めてだが、すでに3月初旬には鈴鹿50周年ファン感謝デーでの“第0戦”と合同テストとで、チーム無限でのFニッポン初乗りは済ませている。雨に祟られたことからデータ収集が進まず、半年後の参戦に向けては冗談まじりに「(好結果は)難しいでしょ」と“笑顔で”話していた琢磨、虎視眈々とスーパーパフォーマンスを狙っているはずだ。

実は、現役インディ選手のFニッポン最終戦鈴鹿登場というのは、5年前にもあった。昨年は琢磨とチームメイトだったトニー・カナーンが、2007年の最終戦鈴鹿に参戦し、いきなり6位に入ったのだが、この時に彼を担当したエンジニアが、現在のチーム無限の監督である手塚長孝氏。もちろんカナーンと琢磨では鈴鹿でのレース経験値も違えば、テストの量やプロセス、現在は最終戦が2レース制であることなど、状況の違いは大きい。両シリーズのマシンも07年当時とは異なるが、インディからFニッポンへの乗り換えに伴う基本的なアジャストについて等、手塚陣営の叡智と経験が琢磨にとって大きな助けとなることは間違いない。好材料と言えよう。

速さを見せているチーム無限のレギュラー参戦選手、山本尚貴の存在も大きい。合同テスト時には、琢磨のもたらすインフォメーションに感嘆しつつ「琢磨さんが帰ってくるまでに、マシンをもっと速くしておきます」と意気込んでいた山本。彼が夏場に初優勝を成し遂げ、琢磨もインディ初優勝を達成しての再合流となれば、タイトル争いをかき回すほどの活躍を期待してもいいだろう。

鈴鹿サーキットでは琢磨の最終戦参戦に合わせて「ファンチケット」や「プレミアムラウンジ」の発売も予定しており、詳細は追って発表の予定。また富士スピードウェイでのJAF-GPでは、併催のSUPER GT参戦も不可能ではないはずで、思わず期待したくなってしまう。本業インディでの活躍も含め、今季後半も佐藤琢磨の動向から目が離せない。

なお、7〜8月の第4戦富士〜第5戦もてぎに、HPリアルレーシングから中山友貴がスポット参戦することも発表されている。

《遠藤俊幸》

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