泥酔状態でのひき逃げ、被告に懲役10年の実刑判決

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昨年11月、泥酔状態でクルマを運転。北海道江別市内で出会い頭衝突事故を起こして1人を死亡させたとして、危険運転致死などの罪に問われた37歳の男に対する裁判員裁判の判決公判が7日、札幌地裁で開かれた。裁判所は懲役10年の実刑を命じている。

問題の事故は2011年11月1日の午前3時30分ごろ発生している。江別市上江別西町付近の市道で、丁字路交差点を進行してた軽乗用車に対し、左方向から速度を落とさぬまま進行してきた乗用車が衝突。軽乗用車は道路右側の空き地まで弾き飛ばされて転覆大破し、運転していた39歳の女性が死亡した。

クルマの乗員は車両を放置して逃走したが、警察は現場近くで泥酔状態だった36歳(当時)の男を発見。この男が事故を起こしたクルマを運転していたことが判明し、自動車運転過失致死などの容疑で逮捕したが、事故前の約10時間に渡って酒を飲み続けていたことや、検知されたアルコール濃度が非常に高かったことから、検察は悪質事案として危険運転致死罪で起訴していた。

検察側は懲役15年の実刑を求めていたが、7日に行われた裁判員裁判の判決で札幌地裁の園原敏彦裁判長は「被告には交通関係法を遵守しようとする意識が乏しく、捕まらなければ法を犯してもかまわないという態度が見られる」と指摘。被告が2010年にも飲酒運転中にひき逃げ事故を起こし、1年間服役した直後に今回の事故を起こしたことに触れ、「非難はより強いものとなる」とした。

被告側は起訴事実については争っておらず、実質的には量刑を諮る内容の公判となっていたが、裁判長は検察側に対して「なぜこの量刑を求めるのか説明がなされていない」と指摘。被告に対して懲役10年の実刑を言い渡した。

《石田真一》

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