【マツダ CX-5 試乗】ディーゼルの走りに魅力を感じるかで選択肢が決まる…松下宏

試乗記 国産車

CX-5はマツダがSKYACTIV技術をフルに盛り込んだ新型SUVで、クリーンディーゼルをラインナップした。

外観デザインはいかにもSUVらしい力強さを表現したもので、最近のマツダ車に共通する大きな五角形グリルを持つ。このフロントデザインは、個人的にはあまり好みではないが、一定の存在感があるのは確か。比較的おとなしいリヤビューは好感が持てる。

ボディサイズは日本で使うにはちょっと大きめ。アメリカでは小さすぎると言われ、ヨーロッパではちょうど良いと言われるサイズらしいが、全幅が1800ミリを超えると日本では使いにくいシーンが出てくる。ドアミラーを含めると2メートルを超えるのは相当に大きい。

ただ、ボディが大きい上にタイヤサイズも大きめなのに、最小回転半径は5.5メートルと標準的な水準に収まっている。使い勝手はまずまずと思っていいだろう。

ガソリンのFF車は車両重量が1500kgを切っていて、比較的軽い。特にフロント部分の重量が軽いためか、ノーズが向きを変えやすく、ワインディングなどで軽快感のある走りが味わえる。アクセルワークに対するレスポンスの良さやダイレクト感のあるATの変速フィールなどは、すでにアクセラで味わっている部分だ。

CX-5ではガソリンエンジンの圧縮比が13.0と、アクセラ(12.0)に比べてやや高められ、より効率の良いエンジンに仕上げられている。14.0にまで達しなかったのは日本のガソリンのオクタン価が影響しているという。

XD Lパッケージに搭載される2.2リットルのクリーンディーゼルは、コモンレール直噴仕様+インタークーラー付きターボによる強大なトルクが特徴。ディーゼルの4WD車は車両重量が1600kgを超えるが、その重量をものともしない420Nmのトルクを発生する。ガソリン車でいえばV型8気筒エンジン並みの実力だ。

エンジンの吹き上がりもガソリン車並みにスムーズ。ディーゼルなので回転の上限は5250回転ほどに抑えられているが、その分だけそれに達するまでの時間も短い。前述の最大トルクはわずか2000回転で発生している。

アクセルを軽く踏んでいるだけで高速クルージングが可能で、気持ち良く走らせることができる。ほとんどシーンを直結状態で走るATのダイレクト感はガソリン車と共通だ。

ディーゼル車の振動や騒音は、ガソリン車よりは大きい。ディーゼルとしては相当に静かで振動も良く抑えられているが、アイドリング中の車外音は大きいし、高速クルージング中の振動・騒音もガソリン車に比べたらやや大きい。そのことを理解した上で買うべきだ。

試乗車は、ガソリンの20Sが17インチタイヤ、ディーゼルのXD Lパッケージは19インチタイヤが装着されていた。19インチだとスタッドレスタイヤを購入するときや、何年か先に交換するときに高くつくのが難点だが、横風の強い高速道路では、19インチタイヤの方がずっと好印象であると感じた。走りの面からは19インチがお勧めだ。

CX-5の価格は20SのFF車が220万円、XD Lパッケージは追突軽減ブレーキのスマート・シティ・ブレーキ・サポートやBOSEサウンドシステムなども標準となるため319万円だ。XDのFF車は258万円だから、ディーゼルとガソリンの価格差は38万円である。

単純に比較すると、40万円弱の価格差は決して小さくない。燃費では取り戻せない差だ。損得勘定だけで言ったら、ガソリン車の方がお勧めである。でもディーゼル車には強大なトルクという特徴がある。この走りの余裕の大きさに魅力を感じる人なら、ディーゼルの方が良い。

そもそもCX-5の価格は安めに設定されている。ディーゼル車をエクストレイルのディーゼルと比較すると、30~40万円は安い計算になる。これは稀少金属を使う触媒なしでクリーンなディーゼルに仕上げていることなどが理由だ。

ガソリン車もCR-Vと比較すると20万円以上は安い印象で、CX-5の価格設定は相当に頑張っているといえる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
《松下宏》

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