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スマートグリッド関連市場、2020年に7兆9191億円…富士経済予測

自動車 ビジネス 企業動向

富士経済は、世界各国で進められているスマートグリッドの取り組み状況や今後の方向性を把握する調査を実施、結果を報告書「2011ワールドワイドスマートグリッド構築実態調査」にまとめた。

報告書では、先行する海外の先進事例をはじめ、システム・機器メーカー30社、電力事業者28社、その他各国・各州の政府(政策)27地域のスマートグリッドへの取り組み事例を分析し、世界のスマートグリッドの実態と方向性を提示するとともに、スマートグリッド関連市場の現状を分析して今後を予測した。

世界的に注目されているスマートグリッドは、プロジェクトの進展とともに課題が明確化、具体的な成果が求められつつある。スマートグリッドの方向性は、風力や太陽光などの再生可能エネルギー導入に対する系統安定化対策と一般家庭を含めたエネルギー利用の効率化に集約されてきている。

先進国ではすでに再生可能エネルギー導入拡大への対応や、業務施設や家庭での需要の制御、太陽光発電やコージェネレーションなどで消費者が能動的にエネルギー市場に参加するためのアプリケーション導入へ重点が移っている。新興国では人口増加や経済発展に伴う送電線の敷設、配電網の近代化などエネルギーインフラの整備が必要。その中でも先進国と同様に再生可能エネルギーなど環境負荷の低い電源の導入や国家間を超えた電力融通などが求められており、スマートメータなどがその手段の一つとして導入されつつある。

スマートグリッド関連市場は2011年が1兆8243億円が見込まれ、これが2020年に7兆9191億円と9年間で4.3倍に増えると予想する。

スマートグリッドの基盤となるスマートメータ/AMIは、先進国・新興国共に導入スケジュールが出揃った。2012年には、政策で導入が進んだ米国で需要のピークを迎え、以降、欧州各国や新興国に需要が移ると予想。スマートメータは価格低下によって導入が一般化しつつあり、導入後はそれを活用するためのHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)などのアプリケーション市場の活性化が見込まれる。

再生可能エネルギーの導入による系統安定化対策として、送電網増強に伴うFACTS機器、HVDC、エネルギー貯蔵システム、デマンドレスポンスなどがスマートグリッド市場の中心を担う。

エネルギー総需要の抑制と再生可能エネルギー導入拡大に重点が移っている先進国では、デマンドレスポンス、HEMS、エネルギー貯蔵システム、超電導ケーブル、電動自動車関連(V2Gなど)の需要が高まると予測。

新興国では、エネルギー需要の拡大とともに効率的な送配電設備や環境負荷の低い電源の建設が進み、スマートメータ、HVDCなどの需要が高まると予測する。

注目市場として、ピーク時の電力消費量の削減を可能にするデマンドレスポンスは、2011年に920億円を見込むが、2020年には9800億円と10倍以上に拡大することを予想する。

デマンドレスポンスは米国では以前から業務、産業分野で市場が形成されてきたが、スマートグリッドが注目されるにつれ、スマートメータと連携した家庭用機器の制御など、新たな市場が立ち上がりつつある。欧州では実証実験段階であるが、再生可能エネルギーの出力変動への対応や、ピーク時に蓄電池や分散型電源の利用を促すスキーム構築が進んでいる。

地域別では、米国では産業保護とエネルギーセキュリティの観点から従来からある「原油-ガソリン-自動車産業」の連鎖が、「シェールガス-天然ガス発電-電動自動車」へと移行の兆しを見せている。そのバックアップとしてV2Gへの関心と期待が高まっている。

中国ではこれまで電力需給の逼迫に対して強制的な電力供給の一時停止で対処してきたが、米国などの支援によって商業ビルを中心にデマンドサイドマネジメントやデマンドレスポンス実現への動きが出始めている。また、家庭用電力料金システムは、上海市を除きほぼ全国各地とも一律の従量料金制がとられており、デマンドレスポンスが取り上げられることはなかった。スマートメータの導入により、今後家庭用についても電力料金体系が多様化に向かうと予測する。

日本ではピーク時の電力供給不足が懸念され、従来火力発電の発電量で調整してきた需給バランスをデマンドレスポンスなど、需要家側で調整しピーク時の電力消費量を削減する必要性が急浮上。しかし、デマンドレスポンスについては、情報の開示や所有権の議論がセキュリティの問題を楯に遮られており、情報を活用したサービスの提供は困難な状況にあると分析する。
《レスポンス編集部》

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