トヨタ自動車が東京モーターショーに出品するコンパクトハイブリッドモデル『AQUA(アクア)』は、トヨタブースにおける最大の目玉モデルだ。
モーターショー開催直後に市販が予定されており、展示されるのも量産モデルと考えられる。いわば“特別内覧会”のようなものだ。
アクアの最大の目玉は、プラグインタイプのハイブリッドを除く市販車で燃費の新チャンピオンとなることが確定的という高いエコ性能であろう。トヨタの事前公表情報によれば、燃費は“約”という但し書き付きでJC08モードで35km/リットル、10・15モードで40km/リットル。会場でも同じ数値が示される可能性が高い。
この数値は3代目『プリウス』よりも良好なもので、プリウスを超えるクルマを出すのは結局トヨタということになりそうだ。
が、アクアの特徴はそればかりではない。チーフエンジニアを務めたのは小木曽聡氏。3代目プリウスの開発にも深く関わったエンジニアで、今回は開発責任者として辣腕を振るう機会を得た。その小木曽氏が目玉として挙げるのは、ハイブリッドカーとしてのパッケージング革命だ。
パワートレインは大型電池を必要とする2モーター式コンバインドハイブリッド+1.5リットル直4アトキンソンサイクルエンジンと、スペック的には2代目プリウスに似たものだが、「バッテリーを含めたシステム全体の容積を大幅に削減した」(小木曽氏)という。
「システムの小型化に加えて、技ありのパッケージングで室内を拡大しました。ハイブリッドシステムを搭載し、空力特性を維持するため車高も抑え気味にしながら、『カローラ』と同等以上の居住性と、ゴルフバッグ3つを積めるラゲッジスペースを確保しました。ユーザーの皆様にもぜひ会場でご覧いただきたいと思います」(小木曽氏)
ちなみに、ハイブリッド化で床下に重量物が多いことと車高の低さが低重心化にも寄与しており、走行性能が高いこともアクアの売りであるというから楽しみだ。