上官のひき逃げを隠蔽、陸上自衛隊員を逮捕

自動車 社会 社会

今年7月、和歌山県和歌山市内で無免許運転の末にひき逃げ事故を起こしたとして、和歌山県警は9月27日、陸上自衛隊・信太山駐屯地に所属する26歳の男をひき逃げで逮捕。またこの男にクルマを貸し、虚偽の盗難届を出した22歳の部下の男を犯人隠避容疑で逮捕した。

和歌山県警・和歌山東署によると、問題の事故は今年7月19日の午後3時ごろ発生している。和歌山市楠本付近の国道24号で信号待ちをしていたトラックに対し、後ろから進行してきた乗用車が追突。トラックを運転していた37歳の男性が打撲などの軽傷を負ったが、クルマはそのまま逃走した。

クルマのナンバーは目撃されており、警察では軽傷ひき逃げ事件として捜査を開始。容疑車両とみられるクルマの特定はできたが、事故当日の夜に大阪府警へ対し、所有者から「5日前に盗まれたらしい」という届け出が提出されていることがわかった。

警察ではこのクルマを所有する陸上自衛隊・信太山駐屯地に所属する22歳の陸士長から任意で事情を聞いていたが、虚偽の届け出だったことが後に判明。クルマは陸士長の上官にあたる26歳の3等陸曹に貸し出していたことがわかった。

3等陸曹の男は昨年5月、違反累積で免許取消処分を受けており、警察では「陸士長が上官である3等陸曹の無免許運転を隠蔽する目的で事故後に盗難届を出した」と判断。3等陸曹からも事情を聞いたところ、ひき逃げの事実を大筋で認めたことから、自動車運転過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ、無免許運転)容疑で逮捕。陸士長については犯人隠避容疑で逮捕している。

調べに対して陸士長は「事故直後に連絡があり、クルマを隠してから盗難届を出した」といった内容の供述をしているようだ。クルマはナンバーを外した状態で知人の土地に放置されていたのが発見されている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース