クレハ、リチウムイオン電池向け部材を中国で生産へ

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クレハは、リチウムイオン電池用バインダーと一般産業用エンジニアリング・プラスチックとして使用されているフッ化ビニリデン樹脂の需要拡大に対応するため、中国江蘇省常熟市の常熟新材料産業園に、フッ化ビニリデン樹脂を製造する新会社を設立すると発表した。

同社は、高分子重合技術をベースとして1970年に日本で初めてフッ化ビニリデン樹脂の工業生産を開始した。以来、フッ素樹脂としての耐薬品性や電気的特性などの性能と汎用樹脂並みの成型加工性を持つバランスの取れたエンジニアリング・プラスチックの特長を活かし、リチウムイオン電池用バインダーや、耐食バルブなどの一般産業用として、様々な用途で使用されてきた。

リチウムイオン電池用バインダーは、携帯電話、高機能携帯端末、ノートパソコン向けの民生用小型リチウムイオン電池の数量拡大に伴って今後も安定的な需要拡大が見込まれるほか、電気自動車やハイブリッドカー、プラグイン・ハイブリッドカー向けの車載リチウムイオン電池用途、電力貯蔵用定置型電源用途などの大型リチウムイオン電池向けに急速な需要拡大が見込まれている。

さらに、一般産業用でも国内外からの旺盛な需要に加えて、太陽電池用バックシート向けや水処理用中空糸膜向けでの需要拡大が見込まれている。

同社は、今年7月にあるいわき事業所のフッ化ビニリデン樹脂製造設備の生産能力を年産2700トンから4000tに増強したばかりだが、アジア市場をはじめとした今後の世界的な需要拡大に対応するため、原料の安定確保を含め中国に子会社を設立し、フッ化ビニリデン樹脂の安定的な供給体制を構築する。

新会社の資本金は6000万ドルで2012年夏に着工、2014年春から稼働する予定。生産能力は年産5000tを計画している。

《レスポンス編集部》

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