ポルシェAGは8月29日、本社隣接の博物館でスニークプレビューを開催し、9月に開催のフランクフルト・モーターショーで正式発表を行う次期『911』の詳細を明らかにした。
ショーで発表されるのは、991型と呼ばれる新型シリーズのベースとなる『911カレラ』と、ハイパフォーマンス版である『911カレラS』という2タイプの後輪駆動クーペモデル。一部で、「従来の997型に対してボディサイズが一気に大きくなる」との“スクープ情報”も報じられたものの、実際には3サイズは、4491×1808×1295mmと全長が56mm伸びたのみで、特に全幅は完全に同サイズをキープしている。
一方特徴的なのはホイールベースで、こちらは一挙に100mmの延長。ただし、チーフデザイナーであるミヒャエル・マウアー氏によれば、これはデザイン面からの要求ではなく、「レーシング部門からの要望をメインとしたメカニカルな要件によるもの」とする。
従来同様、フラット6エンジンには2種類の排気量が用意されるが、『カレラS』が3.8リットルを踏襲したのに対し、ベースの『カレラ』は3.4リットルへと“ダウンサイズ”。それぞれが発する最高出力は400hpと350hpで、「世界初」と称される7速MTと組み合わせた場合の最高速は304km/hと289km/h。また、7速のデュアルクラッチ・トランスミッション「PDK」仕様で、オプションのスポーツクロノ・パッケージの「スポーツプラス・モード」を選択した場合の0-100km/h加速タイムは、4.1秒と4.4秒と発表されている。
スチールやアルミ材を適材適所に用いた結果、車両重量は極めて軽く、DIN規格による表示重量はMT仕様の場合、1395kgと1380kg、といずれも1.4tを下回る。そうした軽量化の成果は当然サーキット走行にも反映され、「ニュルブルクリンクの北コースでのラップタイムは、全くノーマル状態のカレラSで7分40秒をマーク」と言う。
今の時代を感じさせるのは、そんな両車が優れた環境性能をアピールする事。前述の軽量化や電動パワーステアリング、アイドリング・ストップ機構の採用などにより、NEDC測定法によるCO2排出量は、カレラSのPDK車で205g/km。カレラでは同じく194g/kmと、200gを下回る好数値を発表している。