東京商工リサーチは、東日本大震災発生から5か月となる8月11日、震災影響で経営破綻した件数の累計が306件となったと発表した。
このうち倒産件数は266件で実質破綻は40件だった。「阪神・淡路大震災」の関連倒産の約3倍のペースで引き続き増加している。
震災関連で倒産した企業の負債総額は2137億8800万円。震災関連で倒産した企業の約3割は負債総額が1億円未満の小規模だった。
倒産件数は3月が8件、4月が26件、5月が64件、6月が77件、7月が68件で、8月が11日現在で23件となっている。
震災関連倒産266件を都道府県別でみると、最多は東京都の53件で全体の約2割を占めた。北海道が23件、岩手が17件、愛知が13件、大阪が12件と被災地以外が多かった。原発事故で営業できない状態が続く企業の多い福島も11件だった。
また、被災地では不渡報告への掲載猶予など救済措置がとられているものの、甚大被災地区となった青森、岩手、宮城、福島の4県の倒産件数合計は41件で、東京都に次ぐ件数となった。東北地区6県の合計では49件で倒産全体の18.4%を占めた。
経営破綻(倒産+実質破綻)全体では、東京都が約2割を占める59件で最多で、以下、北海道24件、岩手19件、大阪17件、福島14件、愛知13件、宮城12件と続き、2ケタ地区は13都道府県にのぼった。東北6県では59件で、時間経過とともに経営に行き詰まる企業が増えている。
震災関連倒産の266件を産業別でみると、宿泊業や飲食業などを含むサービス業が68件で最多で、製造業も64件だった。建設業が44件、卸売業が41件、小売業が23件と続く。サービス業と製造業で全体の半数を占めている。
経営破綻306件の被災パターンを見ると「間接型」が279件に対し、「直接型」は27件にとどまっており、今後は直接被災した企業の経営破綻増も懸念される。