ヤマハ発動機の柳弘之社長は3日、大震災や原発事故などへの危機管理について、現在進めている国内の生産体制の再編成の中で対応すると述べ、スズキのような大規模な拠点の再配置は必要ないとの考えを示した。
柳社長は3日都内で開いた決算会見後、一部報道陣に対し「今回、被害想定をもう一回見直している」と大規模災害に対する備えを再点検していることを明らかにした上で、「今まで進めてきている国内生産体制の再編成の中でカバーできる範囲に収まると思う」と述べた。
ヤマハ発もスズキと同様に静岡県内に拠点が集中している。しかし、ヤマハ発では現在、国内の余剰生産能力削減、損益分岐点の引き下げを狙いに、2009年時点に国内12工場で組立や部品加工など25あった生産ユニットを、3年程度かけて7工場・14ユニットにする統合再編を進めている。
今年末には10工場・18ユニットになる計画で、柳社長はこの再編成の中で大震災や原発事故への備えも同時に整うとの見通しを明らかにした。