細野豪志首相補佐官は31日夕方の「政府・東京電力統合対策室」合同記者会見で、福島第一原発の専用港内での油の流出について語った。
「国土交通省の大型油回収船を現地に向かわせていたが、流出の規模が小さいことがわかったので、止めている」と、流出規模が小さいことを話した。
油は福島第一原発の5、6号機前の取水口カーテンウォール付近から「物揚場」付近に広がっている。薄い油膜で、東京電力は「外洋への拡散はない」と説明した。
油は護岸周辺の配管付近からにじみ、護岸鋼板の穴を通して港湾内に漏洩している。
東電は漏洩対策として、オイルフェンスの設置を14時50分から始め、16時50分に完了した。また、護岸周辺への吸着マット設置も終えた。今後、漏れている配管付近を補強し、海面の油の回収も行う。
「こうしたことは今後もあり得るので、リスクに備えて準備をすることは継続して行っていきたい」と、細野氏は述べた。
カーテンウォールは、取水口から原子炉へ水を取り込む場合に、海水上面の水温の高い海水を取り込むことを防ぐため設置されたもの。海底に向かってカーテンのように垂らすことで、底側から水温の低い海水を取り込めるようにしたもの。