5月9日、パイオアニア・カロッツェリアのフラッグシップカーナビ、『サイバーナビ』がフルモデルチェンジを実施した。ラインナップは1DIN+1DINの『AVIC-VH09』シリーズおよび2DINの『AVIC-ZH09』シリーズの2ライン4モデル。
新サイバーナビは、ドライブレコーダーカメラで撮影したリアルタイム映像上にルート情報や施設情報をオーバーレイする「ARスカウターモード」を目玉に、未開通道路でも1回の通行記録があればその道が次回からルート案内利用できる「ロードクリエーター」、さらに、通信サービス3年分の通信料料を含んだFOMAモジュールなど、フルチェンジにふさわしい大幅リニューアルとなっている。
パイオニアが予測する2011年度の市販カーナビ市場は242万台。うち、106万台をPNDが、69万台をメモリータイプのAVNが占めると見ており、HDDタイプのハイエンドナビは67万台と推測している。メモリーナビの流星によりこのハイエンド市場はシュリンクしつつあるが、同社はこのカテゴリーにまだ十分商機があると見る。
パイオニアのカー市販事業部長、佐藤裕氏は「エコカー補助金や地デジ需要が終わるなど、国内の市販カーナビ市場は先行きは不透明だ。当社は新サイバーナビで、AR(拡張現実)ナビゲーションによって、次世代のナビを提示する。国内の成熟したカーエレクトロニクス市場において新しい提案ソリューションを提示し、市販カーナビ市場の再開拓を行いたい」と新製品の期待を語る。
サイバーナビだけでなく、ポータブルタイプの『エアーナビ』は4.8インチの/5.8インチに加えて新たに7インチモデルをラインナップに追加。さらに磨きをかけた自車位置精度とナビ機能そして通信連携のスマートループで、大画面PNDの分野で圧倒的なシェアを握るサンヨー『ゴリラ』に挑む構えだ。
また、オーディオでは同社独自の薄型・低振動・無指向性の「HVT」ユニットを採用したサテライトスピーカーを充実させるなど、独自の新機能訴求と売れ筋カテゴリーへの適材商品の投入を図った。11日の決算発表では7年ぶりの黒字転換を果たし、ついに名門復活の勢いが見えてきた。