ホンダ伊東社長「従業員一同が強い意志と一体感をもって取り組んだ」

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エンジニアに状況を聞く伊東社長
  • エンジニアに状況を聞く伊東社長
  • 被災状況を説明する伊東孝紳社長
  • 天井が崩れ落ちた設計部のフロア
  • 地震発生時は300名あまりのエンジニアが業務に当たっていた
  • 移転した設計部で従業員に声をかける伊東社長の後ろ姿
  • 設計業務に取り組むエンジニア
  • もとは検査用の設備を置くためのフロアに机やワークステーションを運び込んだという
  • 記者団の質問に答える伊東孝紳社長

8日、栃木の本田技術研究所の被災状況が報道陣へ公開された。ホンダの伊東社長は、「予想よりも大きい被害だった。設計がメインで作業しているところが天井が落ちたと聞いて、まず設計業務をどうしようかと考えた。研究所のスタッフと話をして、分散して作業するしかないと判断し、腹を決めた」と新車開発の根幹をなす設計業務の再開をまず考えたという。

地震発生後の3月24日には鈴鹿・狭山・浜松の各工場や和光の本社への分散も含めて設R&D部門の一部移転を決定。その後工場も順次操業を再開し、11日には四輪の全工場が生産を始める。

こうした対応について「あの大地震の被害から50%とはいえ全ての工場で稼働できたことは、わたし自身驚いていると同時に、心強かった。スピーディに対応できる体質ができたと実感している」(伊東社長)

また伊東社長は先週、東北地方へ視察に出たという。「(サプライヤの)ケーヒンや仙台の販売店も回ってきた。そのケーヒンもすでに操業を再開している。速い立ち直りという点は心強い。こういう危機にあって、従業員一同が強い意志と一体感を持って業務を遂行していることにたいへん力強く思った」

しかし、同研究所では食堂の壁が崩れ従業員1名が亡くなった。伊東社長は「想定を越えた大地震とはいえ、従業員に(死者という)被害が出たことは残念に思っている。これからは今回のレベルの大地震を教訓として織り込んでいくしかない」と述べた。

《北島友和》

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