[ナノテク11]グリップ性能と低転がり抵抗の両立…イノアックの自転車用タイヤ

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イノアック 自転車用タイヤ
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イノアックは 「ナノテク2011(国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)」(16~18日)に画期的な自転車用タイヤを展示した。それはグリップ力がいいのに、転がり抵抗が少ないという相反することを実現したもの。

開発したのは同社のグループ企業の井上護謨工業で、そのブランド「IRC」は世界的に有名だ。特にオートバイや自転車のレースでは、タイヤを供給し、これまで数多くの実績をのことしてきた。また、タイ、ベトナム、インドネシアではオートバイ用タイヤでほぼ100%のシェアを誇っている。

「タイヤの業界もより環境にいいものが求められていますので、うちでもそれに応えようと考えたわけです。自動車用タイヤではすでに環境にいいタイヤが出ていますからね」と同社関係者は説明する。

そこで、ナノクレイコンポジット技術と呼ばれるナノテクノロジーを使い、グリップ性能と低転がり抵抗を併せ持つ自転車用タイヤを開発したわけだ。同社関係者によると、従来品よりグリップ力が10%アップするのに、転がり抵抗は逆に10%ダウンするとのこと。普通、グリップ力が上がれば、転がり抵抗がアップしてしまうが、このタイヤは違うのだ。

「まだ量産化する段階にはなっていませんが、まずは自転車レースで使用してもらい、その成績を見ながら販売していこうと考えています」と同社関係者。オートバイ用タイヤについても、今後出していく計画で、2年後には登場するかもしれない。

《山田清志》

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