24kmひきずりの男に懲役3年

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今年1月、北海道美唄市内で80歳の男性をひき逃げし、さらに約24kmひきずって死亡させたとして、自動車運転過失致死などの罪に問われた48歳の男に対する判決公判が9日、札幌地裁で開かれた。裁判所は被告に対し、懲役3年の実刑を命じている。

起訴状によると、事故は2010年1月2日の午後6時15分ごろ発生している。美唄市西美唄町大曲2区付近の道道で、車道に人が倒れているのを近隣住人の男性が発見。この男性が警察への通報後、再び現場へ戻ったところ、倒れていた男性の姿はなく、路面に付着した血痕が約50mに渡って残っていた。

そして同日の午後6時50分ごろ、美唄市の現場から約15km離れた奈井江町奈江原野南町付近の道道に架かる奈井江大橋に高齢男性が倒れているのを通行人が発見して警察に通報。これを受けて駆けつけた警官が男性の死亡を確認した。後の調べで、死亡したのは最初の現場近くに住む80歳の男性と判明。男性は約23kmに渡って引きずられたこともわかった。

警察は死亡ひき逃げ事件として捜査を開始。現場で採取した破片を元に車当たり捜査を行ったところ、月形町内に在住する男が所有するクルマのものと一致。被害者のDNAと一致する毛髪も車両底部から発見されており、警察はこの男を自動車運転過失致死や道路交通法違反容疑で逮捕。検察も同罪で起訴していた。

公判で被告は「路上に落ちていた雪の塊にぶつかっただけで、人とは思わなかった」と主張していたが、9日に開かれた判決公判で、札幌地裁の園原敏彦裁判長は「被告は買い物のために外出したが、事故を起こした後は目的としていた店に寄らず、大回りしていて帰宅している」と指摘。被告が路上の障害物を人かもしれないと認識していたと判断した。

その上で裁判長は「事故後も運転を続けたのは卑劣であり、過失の程度は重い」として、被告に対して懲役3年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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