クライスラーグループは17日、ロサンゼルスモーターショーで米国仕様のフィアット『500』を正式発表した。現地価格は1万5500ドル(約130万円)からと、驚きのプライスを掲げる。
米国向けのフィアット500は、1.4リットル直列4気筒ガソリン「マルチエア」を搭載。最大出力は101ps、最大トルクは13.6kgmを発生する。ラインナップは3グレードで、装備の違いにより、「ポップ」「スポーツ」「ラウンジ」を設定している。
米国導入にあたって、サスペンションのチューニングを変更。ボディ剛性やNVH性能も高められた。シート形状の見直しや燃料タンクの大型化は、長距離ドライブに対応した改良だ。
今回明らかになったフィアット500の米国価格は、1万5500ドル(約130万円)からという非常に戦略的なもの。最大のライバル、MINIの現地価格と比較すれば、フィアット500のコストパフォーマンスが際立つ。
MINIの米国ベース価格は、2万0100ドル(約168万円)から。1万5500ドルといえば、ホンダ『フィット』の現地ベース価格、1万4900ドル(約125万円)と大差ないのである。
この戦略的価格の背景には、フィアットが米国へ27年ぶりに再上陸を果たすため、ブランド認知度の低さを価格でカバーする意味合いがあるようだ。また2011年には、フィアット500の米国現地生産もスタートする予定で、いっそうのコストダウンが可能との判断があったためと思われる。
欧州や日本で高い評価を受けたフィアット500。米国市場でも成功するかどうか、注目される。