今月21日にKDDI研究所が発表した、自動車用車載ディスプレイとスマートフォンを無線で連携させるシステム。その参考展示をJAPAN PAVILIONの一角に見つけた。
展示物はauのAndroidおよびWindows mobileの各スマートフォン端末と、車内インダッシュディスプレイに見立てたPCモニターを準備し、それぞれは無線LANで結んで連携させるというもの。この状態でインダッシュディスプレイ上で操作すると、スマートフォンも同じように動き出す。一瞬のタイムラグはあったが、カーナビとして使う分にはとくに問題はなさそうではある。
スマートフォンで使うナビアプリが続々と登場し、機能アップが進んでいく可能性は十分あるわけで、車載ディスプレイとの連携が可能になれば価格の高いカーナビをわざわざ買わなくても済む。
一般的にスマートフィンのディスプレイは4インチ前後と、車載で使うには明らかに小さい。スマートフォンの表示を車載ディスプレイで表示されれば視認性も高くなり、安全性にも貢献する。機能的にナビアプリで十分満足していながらも表示画面が小さいことに不満を持っている人は結構多い。その意味で、この展開はなかなか魅力的だ。
ただ、長時間使っていればスマートフォン側のバッテリー残量も気になってくる。そこで想定されているのはワイヤレスでの電力供給である。指定場所にスマートフォンを置いておけば、いちいちケーブルなどを接続しなくても充電が行われるのだ。これで電力供給からデータ通信まですべてをワイヤレス化できるわけで、使い勝手はかなり高い。スマートフォンの台頭によって、カーナビのあり方は大きく変化していく可能性を帯びてきた。