ロサンゼルスモーターショー主催団体は20日、「第7回デザインチャレンジ」に参加する各社の作品を公開した。メルセデスベンツの超高級車部門のマイバッハは、日本のデザインスタジオが手がけた電動人力車、マイバッハ『DRS』で勝負する。
デザインチャレンジは、ロサンゼルスモーターショーの恒例イベントのひとつ。米国カリフォルニア州にデザイン拠点を置く自動車メーカーが参加するデザインコンペティションだ。今年は、GM、ホンダ、ヒュンダイ、マツダ、メルセデスベンツ(スマートとマイバッハ含む)、日産、トヨタ、ボルボの8社がエントリーリストに名を連ねる。
今年のテーマは、「1000ポンド(約454kg)の車」。快適性や衝突安全面など、車の基本性能は満たしたうえで、究極の軽量車のデザインを競い合う。
マイバッハDRSのDRSとは、「電・力・車」の頭文字から取ったネーミング。東京で1870年に発祥した伝統の人力車をEV化。未来のシティトランスポーターを提案する。
そのエクステリアは、マイバッハブランドにふさわしい高級感ある仕上げ。同ブランドとしては初めて、NMV(ナチュラリー・マニュファクチャード・ビークル)と呼ばれる手法を導入し、限られた顧客のための少量生産に対応させた。
マイバッハDRSは、インホイールモーターを核としたセルフバランスの電動駆動ユニットを搭載。軽量化にも徹底的に取り組んだ。ユニークなのは電動自転車のように、人間の足が生み出すペダルパワーをモーターがアシストする機能を備える点だ。これにより、さらなる航続距離延長が期待できるという。
もちろん、人力車ならではの観光ツールとしての機能も高い。ルーフは開閉式となっており、素晴らしい眺望を提供。大人4名とその荷物を積載できるスペースも確保している。夜間走行時には、バリエーションの多彩なイルミネーション機能も装備する。
マイバッハは、「DRSはブランドの伝統を継承し、未来の交通社会に優雅さを添える1台」とコメント。こんな人力車なら、日本を訪れる外国人に受けるかもしれない。