PNDといえば、これまでは「簡易ナビ」と位置づけられてきたがが、パイオニア・カロッツェリア『エアーナビ AVIC-T07』は、AV関連の機能を除けばフルナビに近い性能を持つ高機能ナビゲーションだ。
◆「L-format」採用で地図データが大幅充実、3年間の地図更新が無料
T07の画面サイズは5.8V型。大画面化が進んでいる国内ブランドのPNDとしては珍しくないが画面サイズだが、T07はVGAサイズで描画する高精細モニターを採用している。地図は細街路までしっかりと表示することが可能で、主要道から脇道に入ったとしても何の不安も感じない。
地図もフルナビに匹敵するデータを収録している。データ容量は8GBだが、5分の1まで圧縮して格納できる「L-format」を採用。難交差点対策として交差点拡大図の収録はもちろん、有料道路の出入り口もイラストで収録するほか、全国1340都市分の詳細市街地図(50m以下のスケールで表示)を収録することが可能となった。
そしてこの地図は『サイバーナビ』などと同様3年間の更新が無料で行える。エアーナビの場合は「マップチャージ」という機能で簡単に地図データを更新できる。パソコンにインストールしたソフト(ナビスタジオ)を介してサーバーからダウンロード、それをmicroSDカードにコピーし、ナビ本体へさらにコピーする。複雑な操作はなく、microSDを抜き差しするだけで自動で新しいデータがチャージされるしくみだ。差分更新なら最大で10分程度。全更新では50分程度の時間を要するが、これを行うこと3年間は新鮮な地図を使うことができる。更新の頻度・期間ともにPNDではダントツの充実度を誇る。
もちろん、従来モデルと同様に別売の通信モジュールを組み合わせることで、リアルタイムプローブ情報の「スマートループ渋滞情報」や、最新のガソリン価格や駐車場の満空情報や、ドライブに役立つ情報コンテンツを入手できる「ナビポータル」にも対応する。通信料が別途必要となるものの、精度の高い交通情報を活用し、渋滞を回避することで目的地まで素早く移動できるようになる。
◆スクロール/タッチレスポンスも高速
コントロールはタッチパネルで行うことになるが、一部の機能の操作では
画面を指でタッチしたまま左右へスライドさせたり、長押しをするといった新しいアクションが加わった。スマートフォンライクな操作方法ではあるが、従来モデルよりも格段に扱いやすくなっている。また、描画エンジンも大幅に強化され従来モデルの弱点だったタッチレスポンスは大幅に改善されたこともトピックだ。
利用頻度が高い「現在地」、「メニュー」、「AV」については画面上のソフトウェアスイッチとせず、本体左側にハードキーとして集約している。T07のキーはすべて同じ大きさだが、4.8インチモデルの「T05」では使用頻度の高い「メニュー」のみが大きなキーとなっている。
◆PNDの水準を大きく引き上げる
目的地の設定や検索に使うメニュー画面も使いやすくリニューアル。アイコンは大きくタッチしやすいことを特長とする。住所データは約3600万件。電話番号データは個人宅ピンポイントを含め、約4000万件の検索データを持つ。高速道路を使ったルートの場合、乗り降りするインターチェンジ(IC)を指定できるほか、最近増加しているスマートICにも対応している。
新型エアーナビは、PNDの水準を大きく引き上げるカロッツェリア渾身のニューモデルといえる。