自動車部品市場、2020年に約2倍・46兆4201億円…富士キメラ総研

自動車 ビジネス 企業動向

富士キメラ総研は、環境対応車が注目され、中国・インドなど新興市場での自動車需要が急増するなど、自動車を取り巻く環境が激変しているため、世界の自動車用主要部品50品目を調査し、その結果を報告書「2010新自動車部品マーケティング便覧」にまとめた。

調査では、世界市場での次世代自動車部品14品目、新興市場向け低価格車の開発などでローコスト化する既存部品36品目を対象に、世界規模推移、メーカーシェア、価格動向、コスト・調達・生産拠点戦略、将来見通しなどについて分析した。

それによると2020年の世界の自動車部品市場は2009年比97.1%増の46兆4201億円と予測。世界の自動車生産台数は、2009年一時的に減少したものの、新興国の底堅い需要により、2010年以降反転し、2020年にかけて長期的に拡大する見通し。これに伴って自動車部品市場も拡大する。

主に新興国向け低価格車の開発が進み、各部品とも自動車メーカーから強いコスト低減の要求が強まり、自動車部品メーカーも生産拠点の再編、構成部材の現地調達、共同購買などで原価低減を図っている。一方で、高単価で高機能な製品の開発と普及にも注力しており、結果として既存のガソリン車やディーゼル車向けの部品も、調査対象部品に関しては、自動車生産数量に近い市場伸長率を示すと予測する。

加えて環境に対応した次世代自動車部品市場が伸長し、市場全体の拡大を後押しする。2020年の次世代自動車部品市場は、2009年比1002.5%増に拡大すると予測する。

2020年の日本国内の自動車部品市場予測は、2009年比95.1%増の9兆74億円とほぼ世界市場と同じ伸び率を予想する。国内の自動車生産台数は徐々に回復するものの、2007年以前の水準に回復することは困難。自動車需要の成長が新興国にシフトしているため、各メーカーとも海外生産に移行するためだ。

ただ、国内の部品市場は、駆動・足回り系のシステムが順調に市場を拡大すること、次世代自動車向けの部品が急増が支える。特に次世代自動車向け部品は、2020年に3兆4615億円にまで拡大する見込みで、全世界の次世代自動車部品市場の約50%を占める。この分野で日本企業が優位を維持出来るかが、日本の自動車産業の浮沈を左右すると指摘する。

注目される部品では、デュアルクラッチトランスミッションの世界市場が2009年比346.2%増の5948億円、アイドリングストップシステムが2009年比1393.9%増の4138億円、LEDリアコンビネーションランプが96.5%増の611億円と予測する。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集