空飛ぶ車、市販へ前進…米連邦航空局が特例措置

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米国のテラフージア(TERRAFUGIA)社が、市販に向けて準備を進めてきた“空飛ぶ車”、『トランジション』。市販へのネックとなっていた重量に関して、FAA(米連邦航空局)が特例措置を認めたことが明らかになった。

同社は2006年、MIT(マサチューセッツ工科大学)出身の5名のパイロットが中心になって、米マサチューセッツ州に設立。空飛ぶ車の開発を進めてきた。そして09年に完成したのが、トランジションのプロトタイプだ。

トランジションは車と軽飛行機を合体させた、新しい移動手段の提案。ガソリンエンジンを搭載し、車としての性能は最高速104km/h、燃費12.7km/リットルと実用的だ。全幅は約2mでガレージに収まるサイズ。駆動方式はFFで、2名が乗車できる。

軽飛行機への変身はわずか30秒で、左右に跳ね上げられた翼をセットすれば完了。空中での最高速は185km/hで、最大740km程度を飛行できる。2009年3月には初フライトを披露し、世界中を驚かせた。

トランジションはこの初フライト後、市販に向けた準備を進めてきたが、ある問題が浮上。それは米国の法律で、軽飛行機の重量は600kg以下に抑える必要があったのだ。トランジションは公道走行用の各種安全装備を採用するため、この規定を約55kgオーバーしていたのである。

FAAは、米国の自家用機で最も小型な「ライトスポーツ」カテゴリーの重量を、600kg以下と規定。米国の複数メディアが29日報じた内容によると、FAAは特例措置として、規定を55kg上回るトランジションを、このカテゴリーに分類することを認めたという。

ライトスポーツカテゴリーは、20時間の訓練飛行で免許が取得できるなど、時間や費用面でのメリットが大きい。そのためテラフージア社は、トランジションを市販するにあたり、このカテゴリーに適合させる必要があったのだ。

トランジションの予定価格は、19万4000ドル (約1720万円)。同社によると、すでに70名が予約金として1万ドル(約90万円)を支払っているという。FAAの特例措置により、2011年後半の市販に向けて大きく前進したトランジション。新しいアメリカンドリームが、花開こうとしている。
《森脇稔》

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