中国でタバコの空き箱で製作された実物大のブガッティ『ヴェイロン』が話題となっている。モーターを搭載し、実際に動かすことも可能だという。
このヴェイロンを作ったのは、大学生のSun Yongganさんを中心とした5名のグループ。学生達は1万0280ものタバコの空き箱を集め、8か月かけて実物大のブガッティヴェイロンを完成させた。ボディはもちろん、ダッシュボードやシートといった内装も、タバコの空き箱。その総重量は、300kg以上に達する。
驚くのは、このヴェイロン、実際に動かせるという点。モーターを搭載し、ゆっくりとした速度ではあるが、前後に走行できるという。
このヴェイロンは、単なる話題集めのために作られたわけではない。Sun Yongganさんによると、5月31日の「世界禁煙デー」に合わせて、反タバコのメッセージを込めて製作したものだという。フロントに、大きな「禁煙マーク」が配されているのは、そのためだ。
ちなみに本家のヴェイロンは、2005年の東京モーターショーでデビュー。8.0リットルW16気筒エンジンに4つのターボを装着し、最大出力1001ps、最大トルク 127.5kgmという途方もない性能を発揮する。7速DSGとフルタイム4WDの組み合わせにより、0-100km/h加速は2.5秒、最高速は 407km/h。この最高速は、05年当時の世界最速記録だ。ヴェイロンは限定300台が生産され、日本での価格は、07年7月時点で1億9900万円だった。
世界最高峰のスーパーカーに、反タバコのメッセージを込めるあたり、学生達のセンスもなかなか。中国のテレビ局が取り上げた映像は、動画共有サイトで見ることができる。