羽田国際化、蒲田で「飛ばすな!」決起へ

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京急蒲田駅
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D滑走路の供用発表で弾みがついた羽田空港国際化だが、空港のある東京都大田区では「飛ばすな!」騒動が起きている。原因は、空港と都心を結ぶ京浜急行電鉄の運行ダイヤにあった。

京急は5月16日から品川 - 羽田空港間で直通列車の新ダイヤを運行。羽田空港から都心のターミナル駅である「品川」に直結する「エアポート快特」を登場させる。

「空港の国際化で外国人のお客様が増える。海外からやってくるため大きな荷物もあり、地理にも不案内。乗り降りが少なく迷わず行ける専用列車が必要と考えた」と、京急広報担当者は話す。

ところが、「エアポート快特」は、品川 - 羽田空港間をノンストップ16分で走る。大田区内の主要駅のひとつである「京急蒲田駅」には止まらない。羽田空港国際化と街の発展を重ね合わせていた大田区は出鼻をくじかれた格好に。松原忠義区長は11日に緊急会見を開き、「相談もなくダイヤを改正し、容認できない。断じて許せない」と、不快感をあらわにした。

現在、京急蒲田駅に止まる「快特」はピーク時に1時間に6本ある。新ダイヤでは、そのうち3本が「エアポート快特」となり、途中駅である京急蒲田駅を飛ばす予定だ。ただし「快特」が半分に減っても京急蒲田駅は、品川 - 横浜間の京急本線上にあるから、交通が著しく不便になるわけではない。京急蒲田 - 羽田空港間は快特で7分だが、それより遅い「急行」でも10分で到着するのだ。

それでも「羽田空港は大田区にあり、国際化による街作りを考えていた矢先に、通過ダイヤを知らされた。エアポート快特が止まらないことによる影響は、地元商店街にも大きい」(大田区広報担当)と、地元の怒りは収まらない。

大田区の裏切られたという思いは、ほかにも原因がある。大田区は路線の高架化に伴う総事業費1650億円のうち200億円を負担。東京都とともに周辺道路なども整備中だ。5月16日からは上り線、2012年度には下り線を含む全線が高架化し、これによって京急は同区間の増発も予定している。

大田区、区議会と地元自治会は「京急蒲田駅通過反対対策協議会」を11日に組織。蒲田駅を飛ばすな!という要望を京急に申し入れただけでは足りず、さらに、15日には大田区内の施設で300人規模の「区民集会」を実施。松原区長らが参加する。その後に通過反対要望書を同社に届ける予定だ。

《中島みなみ》

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