2000社以上の出展者を集める北京モーターショー。中堅メーカーであり、元々は商用車を得意としていた安徽江淮汽車のブースで目を惹くのは、プラグインハイブリッドカーの『和悦混合動力』、ハイブリッドカーの『VISION(愿景)VI』の、2台の次世代エコカーのコンセプトモデルだ。
和悦混合動力(混合動力はハイブリッドの意)は、4ドアセダンの市販モデル『和悦』をベースにハイブリッド化したもの。エンジンを発電のみに用い、走るための動力はすべて電気モーターから得る、いわゆるシリーズハイブリッドカー。メインモーターは最大出力60kW(約80馬力)、1リットルエンジンに接続された発電機は30kWだ。
オリビン酸リチウムイオン電池の容量は10kWhとかなり大きいが、EV走行時の航続距離は50kmと表示されていたことから、容量の6 - 7割程度を使うよう制御されているものと思われる。「和悦混合動力は同クラスのガソリン車に比べ、燃料消費量を3割削減できる。現在、量産化のためのコスト削減に取り組んでいる段階」と江淮関係者はコメントしている。
もう一台のハイブリッドカー、VISION VIは、事前にトヨタ『iQ』をモディファイしたようなイラスト図が公開されていたが、フタを開けてみると、ショーカーはイラストと大きく異なる外観を持っていた。コンパクトなボディながら、ファミリーユースに使える5ドアハッチバック式。車内を見ることはできなかったが、見た目には大人4人が移動できるだけの最低限の空間を備えているように思われた。
もっとも、こちらのスペックは非公開。このコンパクトなボディに内燃機関、電気モーター、出力制御ユニット、電池パックを実装するのは、江淮の現在の技術力ではおそらく無理であろう。あまりにコンパクトにまとまっているので、最初に見たときはEVと思い込んだほどで、他にもEVと勘違いして質問する記者が何人もいた。あくまでエコカーの理想型を3次元で表現するためのコンセプトカーなのだ。