住友電気工業は8日、焼入鋼の汎用的な切削加工に対応したcBN(立方晶窒化ホウ素)の新材種「スミボロンBN2000」を開発し、4月20日から販売を開始すると発表した。
cBN焼結体は、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つcBN粉末を、結合材とともに高温・高圧下で焼き固めたもので、自動車部品などに用いられる焼入鋼や鋳鉄など、難削鉄系金属を高速で加工できる切削工具材種として利用されている。
同社は、独自開発のcBN焼結体材種を耐摩耗性の高いセラミック膜を被覆し、高速加工・大量生産に適する「コーティドスミボロン」と、セラミック膜の被覆を無くしてイニシャルコストを抑え、少量生産にも対応可能な「スミボロン」の2つのブランドで製品展開を行っている。
焼入鋼加工用においては、高速連続加工、高能率加工、断続加工、高精度加工といった加工種別に、最適な製品を展開してきたが、今回、このスミボロンに、多くの加工種類に汎用的に使えるメイン材種としてスミボロンBN2000を開発、販売を開始する。
スミボロンBN2000は、焼入鋼の仕上げ切削加工で、従来品の30 - 100%の寿命を伸ばせるほか、連続切削、弱から中断続切削まで幅広い用途に安定した性能を発揮する。切れ味重視タイプ「LT」、刃先強化タイプ「HS」とアイテムも拡充する。刃先のノーズR違いアイテムも追加し、合計88アイテムを設定する。
住友電工は、スミボロンBN2000を初年度5億円、3年後には10億円の売上げをあげることを見込んでいる。