【VW ゴルフR 試乗】「頂点」が欲しいなら…岡本幸一郎

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500万円オーバーの『ゴルフ』というだけで引いてしまいそうだが、実はそれほどでもない。「ゴルフR」の価格は505万円で、「ゴルフGTI」の素の状態での価格は366万円だが、ゴルフRに標準で付く装備を、GTIにオプションで装着することを考えると、実はそれほど大きな差ではなくなる。

具体的には、たとえばカーナビ(RNS510)が30万4500円、18インチホイール&タイヤとアダプティブシャシーコントロール(DCC)が 21万円、レザーシートが27万3000円となっており、これらを車両価格に加えると、447万7500円となる。ゴルフRとの差は60万円を切るのである。

さらに、ゴルフRは4モーション(4WD)であり、派手なエアロパーツをはじめ内外装の仕様もだいぶ違い、プレミアムな印象に仕上がっている。よくよく考えると買い得感すらあることに気づかされる。

ただし、ボディカラーの選択肢が少ない(筆者の好みの赤系は選べない)ことや、回すとパンチの効いたエンジンだが、GTIのほうがいくぶん低 - 中回転域でのピックアップに優れ、街乗りでは扱いやすいことなど、選択を躊躇する面もなくはない。

走りのフィーリングも、軽快なGTIに対し、ゴルフRは重厚な印象で、どちらかというとスポーティというよりGT的なテイストが色濃く、好みの分かれるところだ。ゴルフの「頂点」を欲しい人にとって、ゴルフRはけっして高い買い物ではないと思うが、こうしたキャラクターの違いも含めて検討すべきだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年富山県滑川市生まれ。学習院大学卒業後、生来のクルマ好きが高じて自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジンの編集部員、自動車専門誌の記者を経てフリーランスに転身。「クルマ好きのプロ」として、ユーザー目線に立った視点を忘れず、幅広い守備範囲を自負する。近年は WEB媒体を中心に活動中。

《岡本幸一郎》

岡本幸一郎

1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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