【トヨタ マークX 試乗】武闘派路線を演出しているが…木下隆之

試乗記 国産車
マークX
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いやはや、実に良くまとめあげたクルマだと思う。乗り心地もすこぶる優しいし、それでいてハンドリングはスポーティである。切れ味はそこそこいいのだ。少なくともダルな印象はない。動力性能も高い。3.5リットル級セダンとしては、かなり加速力は強いと思える。走りと乗り心地のバランスが整っているのである。

もっとも、強烈な個性には乏しい。いかにもトヨタ流セダンといった作り込みだから、尖った性能よりもアクを徹底的に削ぐことに注視したような印象なのだ。たとえば、潔く走りに特化させた『フーガ』などと比較するならば、没個性である。

イメージキャラクターの俳優・佐藤浩市に理想の部長を演じさせたり、サムライを名乗ったりと、色香の濃い武闘派路線を演出はしているものの、中身は薄味なのだ。そのぶん嫌みはないのだが、日常を穏やかに過ごしたいと望む人に適していると思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

木下隆之|モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。『ジェイズな奴ら』を上梓するなど、作家の肩書きも。

《木下隆之》

木下隆之

学生時代からモータースポーツをはじめ、出版社・編集部勤務を経て独立。クルマ好きの感動、思いを読者に伝えようとする。短編小説『ジェイズな奴ら』も上梓。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。「心躍るモデルに高得点を与えるつもり」。海外レース経験も豊富で、ライフワークとしているニュルブルクリンク24時間レースにおいては、日本人最高位(総合5位)と最多出場記録を更新中。

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