NEC、マツダに音声認識システムを納入

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NECは、マツダの車両開発の実験・研究と検証業務を行う車両実研部に、聴覚障がいのある研究部員の開発業務をサポートするため、議事録作成を支援する音声認識システム「ボイスグラフィ」を納入した。

道路交通法の改正により聴覚障がい者も運転免許を取得しやすくなっており、聴覚障がいのある研究者の視点は、ユニバーサルデザインに優れた車両の開発に役立っている。

同部門ではこれまで、朝礼や会議など、聴覚障がいのある部員とのコミュニケーションをとるため、他の部員が筆談でサポートをしていた。ただ、詳細な内容をリアルタイムに伝えるには限界があり、この課題を解決するために、NECのボイスグラフィを導入した。聴覚障がい者が会議の結果だけでなく、結論に至るまでの経緯など、詳細まで共有することが可能になる。

ボイスグラフィはNECの音声認識技術をもとに、音声をリアルタイムで文字に自動変換し、議事録を作成するソリューションで、これまで企業や自治体などで20件以上の採用実績がある。不特定話者の認識ができるため、声の事前登録などが不要。これまで、議事録作成、株主総会、決算説明会、役員会議、講演会などで業務効率化などを目的に採用された実績を持つ。

マツダ向けのシステムは、開発業務の中で持ち運びが容易な簡易システム構成で実現した。発言された音声をマイクで収集し、その内容をリアルタイムでパソコン画面に表示する。マイクとパソコン、音質を調整するオーディオキャプチャという、持ち運びが容易な簡易システム構成になっているため、研究室や実験現場など、さまざまな場所で利用可能としている。

また、音声認識率を向上させるため、マツダ社内や開発部門の専門用語を登録し、システム導入後はマツダ独自で、最新の単語登録・メンテナンスを実施する。

NECは今後、マツダに向けて同システムを拡張し、ボイスグラフィと連動したプロジェクターとパソコン入力による発言機能の開発、重要会議の全文議事録の作成支援など障がい者のサポート以外の業務にも同システムを提案していく予定。

《レスポンス編集部》

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