米国トヨタ販売、レンツ社長兼COOの冒頭説明…公聴会

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リコールとなったHS250hの運転席
  • リコールとなったHS250hの運転席
  • 新型プリウスのハイブリッドシステム
  • タコマの運転席
  • 一連のフロアマット問題の発端となったES350

米国議会で23日、現地トヨタ幹部が出席して、一連のリコール問題に関する初の公聴会が行われた。米国トヨタ販売のジム・レンツ社長兼COOの冒頭説明を掲載する。(原文は英語、抄訳)

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今回のリコールは、顧客の信頼回復のためです。トヨタは米国で長期間、安全で信頼される車を販売してきました。今後、次世代ハイブリッドやEVを含めて、さらに安全で品質の高い車をお届けしたいと考えています。

しかし、ここ数か月、顧客の期待に沿えなかったのは事実です。いままでに経験したことのない大規模なリコールとなり、事態を掌握するのに時間がかかったのです。顧客に対して情報開示を早く行わなかったことが、問題を大きくした一因だと思います。

1500のトヨタ販売店が、リコール改修作業を迅速に進めています。あるディーラーは24時間・無休体制で作業し、1日5万台を修理。現時点で、約100万台のリコール改修作業が完了しています。

ドライバーが意図しない加速が起きる件に関しては、2つの要因があると考えられます。ひとつはフロアマットがずれてアクセルペダルに引っかかること。もうひとつはアクセルペダルの部品の磨耗によって、ペダルが戻りにくくなるということです。

電子制御スロットルコントロールについては、問題はありません。万一システムに不具合が発生すると、燃料噴射を中止し、エンジン出力をダウンさせる設定です。電子制御スロットルは徹底したテストを受けており、万全の品質の部品が車両に組み込まれています。昨年12月、外部の研究機関に電子制御スロットルコントロールの調査を依頼しましたが、不具合は報告されておりません。

しかし、我々は意図しない加速が、一部の顧客だけの現象と見誤り、対応が遅れてしまいました。すべての顧客にお詫びします。この反省に立ち、2010年モデルの『プリウス』、レクサス『HS250h』、『タコマ』では、早期リコールに踏み切りました。

2月17日には、今まで以上に各地域の顧客の声に耳を傾けるために、品質特別委員のチーフ・クオリティ・オフィサーを任命。グローバル品質特別委員会を定期的に開催します。米国においては、技術分室の増強により情報収集の網の目を細かくし、原則24時間以内に現地に向かい、一件一件調査できる体制を目指します。

また2010年末までに、全車にブレーキオーバーライドシステム(アクセルとブレーキが同時に踏まれた際、ブレーキを優先)を標準装備します。

今回の公聴会が、トヨタの信頼回復への第一歩です。サプライヤーまで含めて20万人に及ぶ関係者が、日々努力しています。トヨタ車が再び品質、安全性、信頼性に関して、顧客の信用を取り戻すと確信しています。

《森脇稔》

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