自動車アセスメントで行う試験項目のうち、一番地味に見えるのは「後面衝突頚部傷害保護性能試験」かもしれない。
シートのみを台車に載せ、空気圧で衝突材を打ち出して追突状態を再現するのだが、実車を使わず、試験自体も数秒で終了してしまう。
地味な試験だが、あっという間に終わってしまうだけに撮影の難易度は非常に高い。衝突材を打ち出す前にはカウントダウンも行われるが、「ゼロ」という掛け声の後にスイッチが押される。実際の発射はその1.5秒後ぐらいでタイミングがあわせにくい。
台車の移動量も意外に大きく、連写速度を誇るカメラであってもスチールで撮るのは非常に困難。ハイスピード撮影した動画では衝突の瞬間や、ダミーの頚部が揺れ動く様子を完全にキャッチしていた。