フォードモーターは、11日に開幕するデトロイトモーターショーで、新型『フォーカス』を初公開する。米国、欧州、中国など世界各地で販売するフォードの主力コンパクトカーである。
初代フォーカスは1998年にデビュー。欧州Cセグメントの新基準を打ち立てた。新型はフォードの新しいグローバルCカープラットホームを使用。フォードは2012年までにこのプラットホームから最大10車種を開発する予定で、その中には、昨年9月のフランクフルトモーターショーで披露された新型『C-MAX』や『グランドC-MAX』も含まれる。
新型のボディタイプは、4ドアセダンと5ドアハッチバックの2種類を用意。フォードのデザイン言語「キネティック」を導入したフォルムは、先代よりもさらに躍動感が強調され、小型車でありながら高い存在感を放つ。
室内は、クラスを超えたクオリティをテーマに設計。ソフトパッド樹脂を使用するなどして、質感を高めた。インパネはコクピット感覚を重視。NVH対策も徹底された。フォード自慢のカーテレマティクス「SYNC」は、最新の「マイフォード」への進化を遂げた。
米国仕様のエンジンは、新開発の直噴2.0リットル直4。可変バルブ機構の「Ti-VCT」(ツイン・インディペンデント・バリアブル・カムシャフト・タイミング)を組み込み、最大出力155ps、最大トルク20kgmを引き出す。先代の2.0リットル直4「デュラテック」比で、約20%パワフルだ。E85燃料にも対応している。
欧州向けには、直噴1.6リットル直4ターボディーゼル「デュラトルク」や、直噴ガソリンターボ「エコブースト」を設定。燃費は先代よりも10 - 20%向上しているという。米国仕様のトランスミッションは、6速デュアルクラッチの「パワーシフト」。従来の4速AT比で6%の燃費改善を果たした。
ハンドリングに関しては、ドイツに拠点を置く欧州フォードのスペシャリストがチューニング。「ダイナミック・コーナリング・コントロール」システムは、前輪左右の間で駆動トルクを最適調整するメカニズムで、アンダーステアを低減し、高いトラクション性能を発揮する。電動パワーステアリングも新開発された。
ボディ剛性については、車体の55%に高張力スチールを使用。さらに26%以上に超高張力スチールを導入する。これにより、ボディ剛性は、先代比で約25%引き上げることに成功した。
新型フォーカスは、ドイツ、米国、中国の3拠点で生産。生産開始は今年末の予定で、2011年初頭に北米や欧州で発売。その後、アジア、アフリカ、南米などへ投入される。2011年にはフォード初の量産EVがこのフォーカスをベースに開発され、米国でリリースされる計画だ。