都心の道路からネオンが消えた

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首都高速3号渋谷線を都心方面に向かうタクシーの中で、運転手が「この辺りだいぶ暗くなったでしょう」とぽつりともらした。

企業の広告費削減の波は、都心の首都高速道路周辺の景観も変えた。屋外広告には「貸広告」や「広告募集」などの文字。空き広告が目立つようになった。

電通「日本の広告費2008年」によると、屋外広告費は3709億円で前年比91.8%。3年ぶりに減少に転じたという。ある広告協会団体の担当者は、「これまで何十年も継続して屋外広告を掲出していた大手家電メーカーなどの撤退が目立つ。そこあとにIT系企業や韓国メーカー、消費者金融業などが広告を出しているようだが、それでも空きが目立つ」と話す。

東京都では、2007年より東京都景観計画が施行され、屋外広告物などが規制されているのに加え、新宿御苑や小石川後楽園などの文化財庭園周辺では規制対象広告物の撤去・改修を促進する補助制度も設けられたことで、巨大看板やネオン看板が次々と姿を消した。

また、前出のタクシー運転手は「屋外広告の空きが顕著なのはこの3号線の渋谷近辺じゃないか」とも話す。ある広告会社の営業マンは今年の3号線のある変化についてこう語っていた。

「東京モーターショーの開催前後には、3号線は某輸入車メーカーの屋外広告でいっぱいになるのだが、今年はひとつもなかった。噂ではその会社の幹部陣がショーへ行き来するのに使う道に対して“インナー向け”として自社広告を掲出していたということらしいが……」

また別の広告マンは、「屋外広告は撤去費用が高いこともあり、出稿継続を絶ち切りたいのにやむを得ず残しているというところもある。効果測定しにくいし、今やリスクの高い媒体になってしまったのかもしれない」とも。

いっぽうでこんな話題も出てきた。あるビル設備関係者によると、「新宿駅の通称・大ガードを13年間照らし続けてきたエプソンのネオン広告に代わる、新たな広告主の看板が掲出される予定だ」という話だ。

現在、靖国通りの歌舞伎町側から大ガードを眺めると、改修中と思える“元エプソンビル”の姿が見える。新宿の新たなランドマークがまたひとつ、お目見えするかもしれない。

《レスポンス編集部》

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