1日午前、神奈川県山北町内にある工場の敷地内で、駐車中の大型トラックが無人のまま滑走。ガードレールを突き破り、約10m下の川に転落する事故が起きた。この事故で積荷の溶剤が川に流出。人体にとって有害なため、警察や消防が回収を行っている。
神奈川県警・松田署によると、事故が起きたのは1日の午前9時30分ごろ。山北町川西(N35.22.3.7/E139.1.40.2)付近にある工場の敷地内で、駐車中の大型トラックが無人のまま滑走。道路を横切り、約10m下の川に転落した。
トラックは転覆して大破。荷台には「ソルベッソ」と呼ばれる工業用の溶剤が収められたドラム缶53本が積載されていたが、このうち数本が落下の衝撃で壊れ、中身が川へ流出した。
ソルベッソは気体を吸引しただけで頭痛やめまいを引き起こすなど、人体に悪影響を与えるもので、警察や消防はオイルフェンスを現場に設置。回収作業を行っている。川は横浜や川崎などで使われる水道水の水源となっているが、事故直後から取水を制限しているという。
トラックを運転していた63歳の男性は、荷物の積み込み作業を行うために降車していた。調べに対しては「サイドブレーキが解除される音がした」などと話しており、警察ではサイドブレーキが甘く、駐車していた場所の傾斜に耐えられず動き出したものとみている。