日立電線は、粗化を施した「表面処理付き圧延銅箔」を12月から本格量産に入る。
圧延銅箔は、鋳造した銅塊を圧延機により薄く延ばしたもので、主にFPCの導体や、リチウムイオン二次電池の負極集電体として使われる。
同社は、銅条の製造で培った圧延技術を活かし、1990年代から圧延銅箔を手がけている。圧延銅箔をFPCの導体として用いる際には、ベース材料や接着剤との密着性を向上させるため、銅箔表面を粗い状態にする粗化と呼ばれる表面処理工程が必要。
これまで同社では、原箔と呼ばれる表面処理工程前の製品を中心に顧客に納入してきたが、一貫生産による品質面、コスト面での競争力を強化するため、粗化を施した表面処理付き圧延銅箔を本格的に量産する。
圧延銅箔の生産拠点である土浦工場に、表面処理の設備を導入、月産50万平方mの量産体制を構築した。
今後、さらに屈曲性を向上させた表面処理付き圧延銅箔の開発に注力するとともに、圧延銅箔事業の強化・拡大を図る方針だ。