【ストラーダポケット MP250DL 解説】メモリー倍増、おでかけウォークを新採用…会田肇

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ブラックxレッドのボディカラーを持つ家電ルート専売(DL)モデル。
  • ブラックxレッドのボディカラーを持つ家電ルート専売(DL)モデル。
  • パナソニック ストラーダポケット CN-MP250DL
  • MP180D/DLはFM-VICSチューナーが付属しないモデル。ワンセグチューナーは内蔵する。
  • 「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」の特別限定モデル。本体カラーはオリーブグリーンで、パナソニックグループの直販サイト「パナセンス」での専用販売となる。
  • ゲル式吸盤採用の新型取り付けスタンド
  • 家電量販店で販売される「DL」モデルはカラーバリエーション展開される
  • パナソニック ストラーダポケット CN-MP250DL
  • パナソニック ストラーダポケット CN-MP250DL

8GB大容量メモリーで表現力が向上

メモリーを8GBにまで倍増させたことでパナソニック『ストラーダポケット』の内容は劇的に変わった。地図を市街地図レベルまで拡大できるようになり、対象都市は1031都市にもおよぶ。日本国内の主要な市町村でビルや住宅を一軒ごとに表示可能としているのだ。

道幅も実際の状況に即して描かれ、25mスケールでは一方通行表示を案内。3D表示に市街地図で切り換えるとビルなどの建物が立体的に描かれる。まさにその表現力は大幅に高められたと言っていいだろう。一方の目的地検索に使うデータは、地図データを更新したものの、内容的には4GBだった春モデルと同等。検索で使うカテゴリー分けなどにも違いはない。

◆持ち出して使える「おでかけウォーク」

容量がアップしたことで機能も増えた。その一つが「おでかけウォーク」で、本体を外へ持ち出して歩行ナビとして使える機能である。メニューの左上に新たにアイコンとして設けられ、使う時はこのボタンを押すだけ。

目的地を設定するとクルマで走行する推奨ルートが案内されるが、通常の案内は中止。目的地を示す方向線が表示されるので、その方向に向かって移動すればいいのだ。この時、目的地までの距離は直線距離で表示され、交通規制に対する案内も行われない。要は、現在地と目的地の位置関係を見ながら利用するのが「おでかけウォーク」というわけだ。

◆DIGAやVIERAで録画した番組をストラーダポケットで見られる

もう一つの新機能が「番組持ち出し機能」。これはパナソニック製HDDレコーダー「DIGA」や、薄型TV「VIERA」で録画したTV番組などを、SDカードを介してワンセグ画質で再生可能としたもの。たとえばDIGAでは昨年モデルよりこの機能が搭載されているが、今年のモデルでは一度録画しておけばBS放送でもビデオ撮影した映像でも変換して持ち出すことが可能になっている。

PNDはこれまで録画した番組を見ることができないのが最大の弱点とされたが、この機能の搭載によってこれは見事に解消されたというわけである。画質はビットレートを落としたワンセグ映像って感じ。動きの早いスポーツ系は少々見づらい時もあるが、通常のドラマやアニメといった番組なら画質的にもそれほど不満は出ないだろう。

◆Googleマップに加えてYahoo!の地図・路線アプリに新対応

それ以外のハード的なスペックは春モデルからそのまま踏襲されている。地図のスクロールは最初はゆっくり、押し続けると徐々に速くなる二段階スピードで対応するのは従来と同じ。

画面の切り換えもスムーズだし、目的地を探すのもストレスなく行える。メニュー表示を好みにカスタマイズできたり、ルート探索後に利用するICを指定して変更できるのも便利だ。検索時には対象地をジャンルや地域で絞り込めたり、周辺検索でも対象地を指定できるのも使いやすい。

「おでかけストラーダ」は新たに、「Googleマップ」、Yahoo! JAPAN提供の「路線・地図アプリ」の最新情報をSDメモリーカードでナビに持ち込める。最新スポットであろうが、季節の旬なスポット情報であろうが、PND本体だけでは探し出せなかった場所へ出掛けられるというわけだ。

◆分かりやすさで定評のルート案内も継承

ルート案内のわかりやすさも本機の大きな特徴である。分岐点に近づけば最大4箇所の交差点のレーンリストを表示し、それがカウントダウンするように一つずつ消えていき、交差点300m手前になると交差点拡大図を表示。交差点名は音声でも読み上げられ、拡大図には周囲にあるランドマークも表示するなど、分岐点での案内はきわめてわかりやすい。

さらに高速道路に入る際は入口付近を3D化された案内で表示する(都市高速のみ)し、分岐点では車線数もリアルにガイド。都市高速を走行中は路線だけの表示に切り換えられ、施設をリスト表示するハイウェイモードも備えるなど機能的にはほぼ満足できるレベル。表示される文字が全体に小さめであるものの、実用性は十分に高いと言えるだろう。

◆迷いまセンサーで優れた自車位置精度を実現

本機を使って驚くのが道路の高低差を認識する能力だ。これは加速度センサーおよびジャイロセンサーと地図データのリンクによって実現したものだが、これまでPNDではこの対応は難しいとされてきた。それが本機で都市高速から一般道に下りるだけでそれを自動認識。案内をそれまでの高速道から一般道に切り換えて案内を開始するのだ。

これは一般道でも認識(東名阪の一部の道路が対象)し、一般道と地下道が並行する道路を走行しても現在地を正確に認識して案内を切り換える。加速度センサーとジャイロによる「迷いまセンサー」の精度の高さは間違いなくPND中ナンバーワンと断言していい。

◆新型ゲル状吸盤の取り付けスタンドを新採用

デザインはストラーダ・ポケットの真骨頂。緩やかにラウンドしたデザインは、手に持った時も馴染みやすいし、ピアノブラック調の艶やかさも高級感たっぷり。ゲル状の接着面を持つ吸盤式取り付けスタンドも扱いやすく、取り付けの自由度も比較的高い。

とくにスタンド側にFM-VICS用チューナーを内蔵しているため、余計な配線が出てこないのがいい。欲を言えば、FM-VICSを搭載するMP250にもカラーバリエーションを用意して欲しかった。高機能型を求めるユーザーだって色にこだわりたい人も少なくないと思うからだ。とはいえ、PNDとして使い勝手も実力も十分にハイレベルであることは確かで、それが容量アップによって魅力度はさらにアップした。今年の暮れに選びたいPNDの筆頭に来るのは間違いない。

《会田肇》

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