前のモデルの途中から4リットルエンジンを搭載していて、今回モデルチェンジでボディが少し大きくなったプラドは、もはや見るからに200系に匹敵するくらいのクルマにまで成長してきた。
Aピラーも設けられたアシストグリップをつかんでよじのぼった運転席回りの雰囲気は、本格SUVらしいタフネスさを感じさせると同時に、高級感にもあふれた仕上がりだ。
ベースとなる直列4気筒2.7リットルエンジンの搭載車でも意外に良く走る印象があったものの、ボディに見合った動力性能を持つのはV型6気筒4リットルエンジンの搭載車だ。クロカン4WDとしての機能も4リットル車を選ばないと手に入らないものが多いから、プラドを選ぶなら4リットル車を中心に考えるべきだろう。
オフロードでの走りを試すと、200系にも採用されていたクロールコントロールが進化しているほか、マルチテレインセレクトによってどんな路面でもというか、道路ではないところでもグイグイ走らせることができる。
もはや日本では、これだけの機能を必要とするシーンはほとんどないと言っても良いくらいで、年に何度かオフロードに持ち出す程度の使い方では宝の持ち腐れになりかねないが、世界にはプラドの耐久性や頑丈さ、走破性などを必要とするユーザーが確実にいる。そんなクルマになったといえる。
●5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。