東京モーターショーのレクサスブースには『LFA』の実車展示のほか、壁面にシャーシのカットモデルがディスプレイされている。
それを見て感じるのは、まずエンジンの美しさ、低さだろう。ファンネルが10個並び、その中に10個のバタフライ式スロットルバルブが並ぶのは、まるでレーシングエンジン。72度のVバンクでドライサンプというスペックも高出力高回転型とコンパクトでエンジン高を抑えるためのもの。開発中のスクープでミッドシップと間違えられたほどボンネットが低いのは、このためだ。
フロントのサブフレームはアルミ、キャビンはカーボンファイバーでバスタブ状に作られているようだ。サスペンションの各アームはアルミ鍛造製。フロントは3リンク、リヤは5リンク式。前後に別体のガス室をもつダンパーが奢られている。マフラーはチタン製だという。
駆動系はシングルプレートの乾式クラッチで、トランスアクスル式のトランスミッションはトリプルコーンシンクロのMTだ。
パドルシフトによる電子制御のMT、ということはF1マシンのトランスミッションに近いのでは……、そう思ってトヨタ自動車エンジンプロジェクト推進室の岡本さんに尋ねてみると、やはりエンジンと合わせて駆動系へのF1からのフィードバックはかなり多いそうだ。
それでいて環境性能にも配慮しているのが最新のスーパースポーツらしい。アイドリング時は片バンクを休止させることで排ガスの発生を抑えるという。このクルマのオーナーはガソリン代など気にならないかもしれないが、地球温暖化や大気汚染を考慮した特性は歓迎されるハズ。
ボンネットの下には巨大なサージタンクが収まるが、これもクラッシャブルゾーンとして活用し、ポップアップフードに代わる働きをもたせているという。
ここまで見せていいの? と思うほど中身を公開したLFA。それはレクサスとしての自信と、すでに市販直前にまで完成度が高まっていることの証明だ。